2024.01.06
墓じまいで体調不良になる?原因とトラブルなく進めるためのポイントを解説
「遠方に住んでいてお墓の維持管理が難しい」「お墓の後継者がいない」という理由から、墓じまいを検討している方も多いのではないでしょうか。
一部の人は、墓じまいをきっかけに体調不良に陥ったり、不幸が起きたりするのではないか、と不安に思っているかもしれません。
本記事では、墓じまいをするとなぜ体調不良になるのか、その原因とトラブルなく進めるためのポイントについて解説します。
墓じまいとは
墓じまいとは、お墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地にして使用権を管理者に返還することです。
墓じまいでは、取り出したご遺骨の供養方法を決める必要があります。主な供養方法は次のとおりです。
・ご遺骨を別のお墓に移す(一般墓、永代供養墓、納骨堂など)
・散骨(海洋散骨、宇宙散骨など)
・手元供養
なお、現在のお墓から取り出したご遺骨を、一般墓や永代供養墓など別のお墓に移すことを「改葬」といいます。改葬は墓じまいや永代供養と混同されやすいため、区別しておきましょう。
墓じまいで体調不良になるのか
墓じまいについて調べるなかで、「墓じまいが原因で体調不良になった」「墓じまいを始めたら災いが起きた」といった体験談を見聞きした方もいることでしょう。
しかし、墓じまいが原因で体調不良になるというのは、根拠のない迷信です。
墓じまいをすると不幸・体調不良になる?
墓じまいをすると不幸や体調不良になるというのは、科学的にも統計的にも根拠がありません。そもそも墓じまいとは、供養を継続するための手段であり、ご先祖様に不敬を働くものではないのです。
墓じまいを考えている方は、そのような迷信に惑わされず、冷静に墓じまいを検討するよう心がけましょう。
墓じまいをすると霊障や災いが起こる?
墓じまいが霊障や災いを招くというのは、宗教的にも科学的にも否定されています。
例えば仏教では、故人が祟るという教えはありません。また、ご遺骨やお墓への執着は、迷いの一つとされています。
墓じまいによる霊障や災いの噂に根拠はないため、お墓の管理が難しい場合は、適切な方法で墓じまいを行うことが望まれます。
墓じまいは感謝の気持ちと敬意を込めて行うもの
繰り返しになりますが、墓じまいの体験談として「体調不良になった」「不幸になった」「霊障が起こった」という話がありますが、これらは迷信に過ぎません。
墓じまいはお墓を粗末にする行為ではなく、故人やご先祖様を供養するための手段です。ご先祖様たちを怒らせる行為ではありません。
むしろ墓じまいは、故人やご先祖様への感謝と敬意の気持ちを込めて行うことで、故人やご先祖様との絆を深め、より良い関係を築くための行為といえるでしょう。
墓じまいせずお墓を放置することこそ失礼になる
「体調不良や災いを恐れ、墓じまいせずにお墓を放置している」「長年お墓の手入れや管理をしていない」ということこそ、故人やご先祖様に対して失礼な行為です。
管理が行き届かないお墓がある場合は、供養や追悼の気持ちを伝えるためにも、墓じまいをして新たな供養の場を用意することが望まれます。
墓じまいを無視するとお墓が強制撤去されることも
お墓を建てると、毎年管理費を支払う必要があります。この管理費は、お墓の場所を確保し、墓地の維持管理を行うための費用です。
管理費の滞納が続くと、墓地管理者から催促があります。催促を無視すると、お墓に立て札が立てられ、官報に公示されることがあります。それでも連絡しなければ、お墓は無縁仏として強制撤去され、撤去費用を請求される可能性もゼロではありません。
無縁仏となったお墓の遺骨は、他の無縁仏と一緒に合祀されるのが一般的です。合祀された遺骨は、原則として取り出せません。
故人のご遺骨を尊重し、大切に扱いたい場合は、墓地管理者からの連絡を放置しないようにしましょう。
⇛墓じまいを無視した場合のトラブルについてはこちらの記事で詳しく解説しています
墓じまいの後に体調不良になる原因
墓じまいが原因で体調不良や不幸になるのは迷信だとお伝えしました。
しかし、墓じまいにはさまざまな工程があるため、肉体的・精神的な負担が伴うことは事実です。
したがって、肉体的・精神的な負担により、墓じまいの後に体調不良になる可能性はあります。
肉体的な負担があるから
墓じまいは、菩提寺や市役所での手続き、親族や遺族とのコミュニケーションなど、さまざまな関係者とのやり取りが必要です。
「一人で手続きや準備をした結果、疲労が蓄積して体調を崩した」「遠方の菩提寺や市役所への複数回の訪問により、体調不良になった」といったケースも少なくありません。
精神的な負担があるから
墓じまいは、故人やご先祖様への想いを整理する機会でもあります。そのため、故人や家族への想いが強すぎると、精神的な負担が大きくなり、体調を崩すことがあります。
また、墓じまいの決断に対する後悔や不安、ストレスも体調不良の原因になりうるでしょう。
墓じまいで体調不良にならないための対策
墓じまいによる肉体的・精神的な負担を軽減するためには、適切な対策が必要です。
具体的な対策として、以下の3つが挙げられます。
・体調管理の徹底
・親族や遺族の協力を得る
・プロの代行業者への依頼
ひとつずつ見ていきましょう。
体調管理の徹底
墓じまいは肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。
手続きのために菩提寺や市役所を訪れたり、親族や遺族が墓じまいに反対した場合の話し合いなどが必要になります。
「故人やご先祖様を供養したい」という強い想いは素晴らしいものです。ただし、さまざまなストレスや疲労が重なることで体調不良に陥るリスクがあります。
体調不良が続くと、墓じまいの手続きや準備に支障が出る可能性もあります。そのため、墓じまいをスムーズに進められるよう、日頃から体調管理を徹底しましょう。
親族や遺族の協力を得る
墓じまいは、一人で行うには困難な作業です。
親族や遺族の協力を得て作業分担し、サポートを受けることで、肉体的な負担を軽減し、親族みんなで故人やご先祖様を供養するようにしましょう。
プロの代行業者への依頼
墓じまいには、重機や資材の扱いなど専門的な知識や技術が求められます。また、菩提寺とのやり取りや行政手続きも必要です。
経験豊富なプロの代行業者に依頼することで、効率的に墓じまいを進められます。墓石の撤去工事から墓じまい後の供養方法の紹介まで、トータルでサポートしてくれる代行業者を選ぶと安心です。
⇛墓じまいの代行業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています
墓じまいすべきタイミング
墓じまいは、家族とよく話し合い、納得した上で行うことが大切です。
以下は、墓じまいを検討する際の適切なタイミングです。
・お墓の後継者がいない場合
・遠方に住んでいてお墓参りができない場合
・高齢や体調不良でお墓の管理が困難な場合
それぞれの状況について詳しく見ていきましょう。
お墓の後継者がいない場合
少子化や核家族化の進行により、お墓の後継者が不在となる家庭が増えています。
一定期間放置されたお墓は「無縁仏」として強制撤去される可能性があり、故人やご先祖様を供養できなくなる恐れがあります。
お墓の後継者がいなくなる可能性がある場合、またはすでに後継者がいない場合は、墓じまいを検討しましょう。
遠方に住んでいてお墓参りができない場合
家族が離れて暮らすことが増え、お墓が遠くに離れてお参りが困難になるケースがあります。
定期的にお墓を手入れできる人がいない、あるいは誰もお墓参りができない場合は、墓じまいを視野に入れましょう。
高齢や体調不良でお墓の管理が困難な場合
高齢になると、お墓参りが困難になってきます。健康上の問題や体力の低下など、さまざまな要因が考えられます。また、お墓の管理作業自体が高齢者には負担となりがちです。
高齢の方や、体調不良が続きお墓の管理ができない方は、墓じまいを検討し、より自分に適した供養方法に切り替える必要があります。
トラブルなく墓じまいを進めるためのポイント
墓じまいでは親族や菩提寺とのコミュニケーションが必要であり、事前相談せずに進めるとトラブルに発展する可能性があります。
以下に、トラブルなく墓じまいを進めるための4つのポイントを整理しました。
・親族や遺族から事前に同意を得る
・菩提寺や霊園への相談を済ませる
・複数の石材店から見積もりをもらう
・墓じまい後の供養方法を決める
ひとつずつ見ていきましょう。
親族や遺族から事前に同意を得る
墓じまいは、故人やご先祖様への想いを整理する機会であるとともに、親族や遺族にとって大きな決断です。墓じまいに反対する方も出てくるかもしれません。
そのため、墓じまいを検討する際には、親族や遺族との話し合いを重ね、共通の理解を形成する必要があります。
また、工事費や改葬にかかる概算費用の見積もりを取得し、費用負担の割合についても事前に同意を得ておきましょう。
菩提寺や霊園への相談を済ませる
これまでお墓を管理してくれた菩提寺や霊園に、突然「墓じまいをしたい」と通告すると、誤解や不信感を招く可能性があります。
場合によっては、菩提寺から高額な離檀料を請求されるトラブルも起こり得ます。
そのため、事前に「今後の供養について相談したい」という姿勢で接し、墓じまいの必要性や背景を丁寧に説明することが大切です。
複数の石材店から見積もりをもらう
墓石の撤去やお墓の整地作業は、石材店に依頼するのが一般的です。お墓の撤去費用は墓石のサイズや墓地の区画によって異なり、地域や施工方法によっても変わります。
追加料金や過剰請求のトラブルを避けるためには、複数の石材店から見積もりを取得し、費用やサービス内容を比較検討し、信頼できる石材店を選ぶことが大切です。
墓じまい後の供養方法を決める
墓じまいにより取り出されたご遺骨をどのように供養するのか、あらかじめ決めておきましょう。
永代供養や散骨など多様な方法が存在するため、費用やメリット・デメリットを比較し、親族や遺族が納得する方法を選ぶことが大切です。
⇛墓じまい後の供養方法や墓じまいの手順などについてはこちらの記事で詳しく解説しています
まとめ
本記事では、墓じまいに伴う体調不良やその原因、トラブルなく進めるためのポイントについて解説しました。
墓じまいが体調不良を引き起こすというのは迷信であり、科学的根拠はありません。しかし、墓じまいに肉体的・精神的な負担が伴うことは確かで、負担が積み重なることで体調不良に陥る可能性があります。
そのような負担を軽減し、円滑に墓じまいを進めるためには、プロの墓じまい代行業者に依頼することがおすすめです。
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