2023.12.06

コラム

墓じまいのトラブルとは?よくある事例と解決策を紹介

墓じまいとは、お墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地にして使用権を管理者に返還することです。近年、核家族化や少子高齢化、ライフスタイルの変化により、墓じまいを検討する家庭が増えています。

しかし、墓じまいは、改葬許可の取得やお墓の管理者との話し合いなど、さまざまな手続きが必要です。そのため、事前知識なく対応してしまい、トラブルに発展するケースも少なくありません。

そこで本記事では、墓じまいのトラブルについて、よくある事例と解決策を紹介します。墓じまいを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

墓じまいでよくあるトラブル

一口に墓じまいのトラブルといっても、その相手方には業者だけでなく親族も含まれます。

ここからは、以下のトラブル事例について紹介していきます。

・石材店とのトラブル
・菩提寺とのトラブル
・親族とのトラブル

それぞれ詳しく見ていきましょう。

石材店とのトラブル事例

墓じまいをするためには、墓石の解体撤去工事を石材店に依頼する必要があります。

石材店との間で起こりやすいトラブルは、主に以下の3つです。

・高額な撤去費用を請求される
・業者選びができない
・ずさんな工事や不法投棄をされる

トラブルの詳細と解決策を見ていきましょう。

高額な撤去費用を請求される

墓じまいをめぐる石材店とのトラブルで多いのが、高額な撤去費用を請求されるというものです。

墓石の撤去費用の相場は、1㎡あたり約10万円とされていますが、地域や施工方法によってさまざまです。そのため、費用相場よりも高額な解体撤去費用を請求されることもあります。

ほかにも、寺院へのバックマージンを含めた高額な解体撤去費用を請求されるケースも存在します。また、民営霊園では稀に、他社での施工ができず高額な費用を請求されるケースがあるようです。

「石材店に一度声をかけてしまったので、断りづらくなり、高額な撤去費用を支払ってしまった」というケースも多く見受けられるため、事前に複数の石材店に見積もりを依頼し、比較検討することが大切です。

業者選びができない

寺院や民営霊園によっては、指定石材店制度を採用しています。これは、墓地内における墓石の購入や建立をあらかじめ決められた石材店でしか行えないという制度です。

特に民営霊園では、霊園開発費のような負担金の関係で、指定石材店があることが一般的です。このように指定石材店がある場合、複数の石材店に見積もりを依頼し、比較検討できないため注意しましょう。

一方、寺院墓地では、指定石材店での施工は比較的少なく、自身で任意の石材店を選べるケースが多く見受けられます。

ずさんな工事や不法投棄をされる

不誠実な石材店に墓じまいを依頼すると、工事が雑になったり、不法投棄されたりとずさんな工事対応をされることがあります。

そのため、信頼できる優良石材店を選ぶことが大切です。口コミやレビューを参考に、複数の石材店から見積もりを取得し、納得できる業者を選びましょう。

菩提寺とのトラブル事例

墓じまいを行う場合、それまでお世話になっていた寺院から離檀することになるため、離檀をめぐるトラブルに発展する可能性があります。離檀とは、檀家を辞めることです。

墓じまいにおいて起こり得る菩提寺とのトラブルは、主に以下の4つです。

・未納管理費を請求される
・改葬を認めてもらえない
・高額な離檀料を請求される
・撤去工事や遺骨の引き渡しを拒否される

トラブルの詳細と解決策をひとつずつ解説します。

未納管理費を請求される

長年お墓の管理費が未納状態の場合、寺院から未納管理費を遡って請求されるケースがあります。

「お墓を管理していた親が亡くなり寺院に連絡したら、お墓の管理費が支払われていないことが発覚した」というケースもあるため、注意しましょう。

改葬を認めてもらえない

墓じまいを伝えた寺院から高額な離檀料を請求され、「それを納めない限り埋蔵証明書を交付しない」「改葬許可申請書に署名しない」といった対応をされるケースもあります。

また、納骨された遺骨を取り出す際に行われる「閉眼供養」を拒否されることもあります。

原則として、埋蔵証明書や改葬許可申請書がなければ改葬できません。また、閉眼供養を行なっていないと、お墓の撤去工事を承諾してくれない石材店も存在します。

トラブルを回避するためにも、適切な墓じまいの進め方や手続きについて、事前に代行業者や専門家に相談することが大切です。

高額な離檀料を請求される

これまで寺院にお墓の管理をしてもらっていた場合、墓じまいによって離檀することになります。

離檀料とは、菩提寺との縁を切るときに渡すお布施です。費用相場に取り決めはないものの、墓じまいを決定事項として寺院に報告したことで、稀に数百万円の高額な離檀料を請求されたというトラブルも存在します。

このようなトラブルを避けるためには、事前に寺院に墓じまいを検討している事情を相談することが大切です。

なお、寺院への伝え方を間違えると、墓じまいに難色を示されたり、反発されたりする恐れがあります。そうならないためにも、墓じまいの知識を豊富に持つ代行業者や専門家に相談し、寺院への伝え方や工夫すべきポイントを確認しておきましょう。

参考:実家の「墓じまい」したいのに 寺が拒否、離檀料300万円請求も|朝日新聞

撤去工事や遺骨の引き渡しを拒否される

墓じまいにあたり、手続き漏れやトラブル防止のために代行業者や専門家に依頼する方も多いことでしょう。

しかし、代行業者や専門家を介した墓じまいを嫌がる寺院も存在します。場合によっては、墓石の撤去工事や遺骨の引き渡しを拒否されることもあります。

このようなトラブルを回避するためにも、事前に墓じまいを検討していることを寺院側に相談しておきましょう。また、撤去工事費用や離檀料など、墓じまいにかかる費用相場を事前に把握しておくことも大切です。

親族とのトラブル事例

墓じまいでは、ご先祖様への想いやお墓に対する価値観などから、親族とトラブルに発展するケースも少なくありません。

親族とのトラブル事例として多いのは、主に以下の3点です。

・墓じまい自体に反対される
・費用負担で揉める
・改葬先に不満を持たれる

ひとつずつトラブルの詳細と解決策を見ていきましょう。

墓じまい自体に反対される

墓じまいでは、現在ある墓石を解体撤去する必要があります。お墓に対する価値観やご先祖様への想いから、お墓を壊すこと自体に抵抗したり、反対したりする親族や遺族も少なくありません。

事前に相談せずに墓じまいを進めることは、親族・遺族間でのトラブルの原因となるため、ご注意ください。

トラブルにならないためにも、親族や遺族に対し、墓じまいの必要性を伝え、双方が納得できるまで話し合うことが大切です。

費用負担で揉める

墓じまいにかかる費用負担で揉めるケースも存在します。

よくあるトラブルとして、以下のようなものがあります。

・1人で墓じまいを進めた結果、自分で全額負担することになった
・親族一同で墓じまいを進めていたが、費用はお墓の承継者が全額負担した

なお、墓じまいの費用負担について、明確な決まりはありません。「長子が負担する」「親族一同で等分する」「お墓の承継者が支払う」といった決まりはないため、親族・遺族全員が納得する形で費用を工面することが望まれます。

費用負担をめぐるトラブルを防ぐためにも、どのように負担するのかを親族・遺族間で十分に話し合うことが大切です。

改葬先に不満を持たれる

墓じまい後の改葬先はさまざまです。例としては、一般墓や永代供養墓といった候補が挙げられます。

独断で改葬先を選ぶと、「永代供養墓だとお墓参りができない」「お墓が遠くなり、体力や体調の関係でお墓参りが大変だ」といった不満を抱かれるケースがあります。

事前に親族・遺族と相談し、改葬先に関する同意を得ておくことでトラブルを避けましょう。

そのほか、「故人やご先祖様を近くに感じたい」という親族・遺族の意向を尊重し、分骨して手元供養にするといった方法もあります。

墓じまいをめぐるトラブルを回避するための注意点

ここまで、墓じまいにおけるトラブル事例とその解決策について、3パターンに分けて紹介しました。

ここからは、墓じまいをめぐるトラブルを回避するために、押さえておきたい注意点を紹介します。

注意点は、主に次の3つです。

・事前に知識を持つ
・専門家に相談する
・墓じまい代行業者に相談する

ひとつずつ見ていきましょう。

事前に知識を持つ

ここまでに紹介してきたトラブルの多くは、事前知識があれば防ぐことができるものです。

トラブルを回避するためにも、墓じまい代行業者や専門家がインターネット上で発信している情報を積極的に収集し、事前に墓じまいに関する知識を身につけておきましょう。

なお、墓じまいの進め方や費用相場などをより深く理解するためにも、1つの情報源だけでなく、複数の情報源から知識を身につけることが大切です。

専門家に相談する

トラブルを避けるためには、情報収集だけでなく、親族や遺族、寺院や霊園などお墓の管理者との間で、墓じまいについて事前に相談することが大切です。

しかし、どれだけ注意を払っても、理解や納得を得られず、墓じまいが難航することもあります。

高額な離檀料の請求や閉眼供養の拒否などで困ったら、「家族のことは家族の力で解決する」と意固地にならず、トラブルが深刻化する前に国民生活センターや弁護士といった専門家に相談しましょう。

感情的になり話がまとまらないような場合でも、専門家の力を借りれば短期間で解決できる可能性が高まります。

墓じまい代行業者に依頼する

墓じまいでは、行政手続きや関係者との交渉、改葬先や供養方法の選定など、多くの作業が生じます。

仕事や家事と並行して墓じまいを進めるのは負担が大きく、墓じまいのためにまとまった時間を確保するのは難しいものです。

ご自身の負担を軽減し、トラブルなく墓じまいを進めるためにも、墓じまいに関する豊富な知識を持つ代行業者に相談することをおすすめします。

墓じまいのトラブルを回避するためには代行業者に依頼しよう

墓じまいを安心安全に行うためには、代行業者への依頼がおすすめです。

ただし残念ながら、墓じまいを丸投げする悪徳業者も存在します。トラブルを回避するためにも、適切な墓じまい代行業者を選ぶうえで大切なポイントを紹介します。

ポイントは、主に次の3点です。

・信頼と実績がある
・サービス内容に納得できる
・費用や見積もりが妥当である

ひとつずつ見ていきましょう。

信頼と実績がある

トラブルを未然に防ぎ、必要な作業や手続きを円滑に進めるためにも、墓じまいの専門知識と経験が豊富な代行業者に依頼することが大切です。

ホームページや口コミ、SNSでの評判などを一通り調べて、信頼と実績がある代行業者かどうかをチェックしましょう。

「代行業者の雰囲気や印象を自分で確かめたい」という場合は、店舗窓口や電話に一度問い合わせてみてください。スタッフの対応から丁寧さや誠実さが感じられるか、直接確認してみるとよいでしょう。

サービス内容に納得できる

代行サービスの内容は、墓じまい代行業者によってさまざまです。

行政手続きのみ請け負う代行業者もあれば、新しい納骨先の紹介まで対応している代行業者も存在します。

墓じまい代行業者を検討中の方は、代行を希望する作業や手続きがサービス内容に含まれているかを確認しましょう。

費用や見積もりが妥当である

稀にではありますが、高額な請求をしてくる墓じまい代行業者も存在します。

墓じまいの費用はお墓の大きさや形によって異なるため、複数業者に見積もりを依頼し、相場と比較しながら代行業者を選びましょう。

ただし、費用があまりにも安い代行業者には注意が必要です。サービス内容と費用のバランスを見極めるよう心がけましょう。

⇛墓じまい代行業者選びで大切なポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています

まとめ

本記事では、墓じまいのトラブルについて、よくある事例と解決策について解説しました。

墓じまいは、石材店や寺院、親族といった多くの利害関係者とやり取りをし、複雑な行政手続きを行う必要があるものです。そのため、個人で行うには負担が大きく、トラブルに発展するケースも珍しくありません。

墓じまいに関する無用なトラブルを避けるためにも、墓じまいでわからないことや不明点がある場合は、信頼と実績のある墓じまい代行業者に依頼することをおすすめします。

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