2023.12.07

コラム

墓じまいのその後|供養方法やトラブルの回避方法を解説

近年、少子高齢化や核家族化、ライフスタイルの変化に伴い、墓じまいを選択する方が増えています。

墓じまいはその後、ご遺骨の供養方法を決める必要があります。また、墓じまいにはさまざまな手続きや費用が発生するため、事前準備が重要です。

事前準備を怠ると、親族や寺院との間でトラブルが発生する可能性があるため、注意しましょう。

本記事では、墓じまいのその後の供養方法やトラブルを避ける方法について解説します。墓じまいを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

墓じまいとは

墓じまいとは、お墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地にして使用権を管理者に返還することです。

お墓のなかに眠っている故人やご先祖様のご遺骨を取り出し、新しい場所に移して供養するためには、親族や墓地管理者、石材店とのやり取りが欠かせません。

改葬とは

改葬とは、お墓から取り出したご遺骨を、必要な手続きを経て一般墓や永代供養墓など別のお墓に移すことです。つまり、お墓の引越しを意味する言葉です。

墓じまいが「お墓の撤去」を指すのに対し、改葬はお墓の撤去に加えて「別のお墓にご遺骨を納める」という行為が含まれます。

なお、墓じまい後は永代供養墓への改葬や散骨などを通じて、ご遺骨を適切に供養する必要があります。故人をしっかりと供養するためにも、墓じまいと改葬はセットで考えることが大切です。

墓じまいが増えている理由

厚生労働省は「令和3年度衛生行政報告例」において、令和3年度(2021年度)の改葬件数が11万8,975件であったと報告しています。

平成11年度(1999年度)が6万7,270件であったことから、改葬件数は増加傾向にあることがわかります。

墓じまいが増えている背景には、主に次のような理由があります。

・遠方に住んでいるためお墓参りが困難
・お墓の維持管理で家族に負担をかけたくない
・お墓の後継者がいない

少子高齢化や地方の過疎化などが進み、今後も墓じまいを選択する方は増えていくものと予想されます。

墓じまいのその後の供養方法

墓じまい後は、ご遺骨の供養方法を決める必要があります。

一般的に選ばれる主な供養方法は、以下のとおりです。

・一般墓
・永代供養墓
・樹木葬
・納骨堂
・散骨
・手元供養

それぞれのメリットとデメリット、相場費用などを見ていきましょう。

一般墓

現在のお墓から取り出したご遺骨を、新しく建てたお墓に移す方法です。相場費用は80万円〜250万円で、年間管理費を別途支払う必要があります。

【メリット】
・お参りが可能
・先祖代々を供養できる
・親族の賛同を得やすい

【デメリット】
・費用が高い
・維持管理が必要
・後継者がいないと購入できない

永代供養墓

家族や親族に代わり、霊園や寺院などの墓地管理者がお墓の管理・供養を行う方法です。相場費用は5万円〜150万円です。最初から合祀となる形式や、契約期間が過ぎてから別の方のご遺骨と合祀される形式があります。

【メリット】
・費用が比較的安い
・維持管理の負担が少ない
・宗教や宗派に関係なく利用可能

【デメリット】
・お墓を継承できない
・親族の理解を得にくい
・一度合祀されるとご遺骨を取り出せない

樹木葬

墓石の代わりに樹木を用いる、または納骨場所の周囲に草花を植え、土の中に埋葬する方法です。お墓参りでは、目印となるシンボルツリー(樹木)に向かって手を合わせます。相場費用は20万円〜80万円です。

【メリット】
・費用が比較的安い
・緑や草花が多く雰囲気が明るい
・永代供養であるため後継者が不要

【デメリット】
・ご遺骨の取り出しが困難
・納骨人数が多いと費用が高くなる
・季節によって彩りや景色が変わる

納骨堂

ご遺骨や骨壷を専用スペースに納骨できる施設のことを、納骨堂と呼びます。相場費用は10万円〜150万円です。

【メリット】
・費用が比較的安い
・天候に関係なくお墓参りできる
・掃除や維持管理の負担が少ない

【デメリット】
・お供え物に制限がある
・預けられるご遺骨の数に限りがある
・お墓参りの実感がわきにくい

散骨

ご遺骨を細かく粉骨して海や山などに散布する方法です。「故人と縁のある海に還したい」「故人は自然が好きだった」という想いから、海にご遺骨を散布する海洋散骨を選ぶご家族が増えています。相場費用は5万円〜70万円です。

【メリット】
・費用が比較的安い
・後継者が不要
・管理の必要がない
・故人の望みを尊重した供養が可能

【デメリット】
・親族から賛同を得られないことがある

⇛海洋散骨を検討されている方はこちらもご覧ください【ブルーオーシャンセレモニー】

手元供養

故人のご遺骨や遺灰の全部、または一部を自宅や身近なところに保管して供養する方法です。相場費用は数百円〜50万円です。

【メリット】
・故人を身近に感じられる
・費用を抑えられる
・お墓の維持管理に困らない
・保管場所の選択の自由度が高い

【デメリット】
・親族や遺族から反対される可能性がある
・手元供養後の供養方法を考える必要がある

墓じまいで起こりやすいトラブルの種類

墓じまいで起こりやすいトラブルは、大きく分けて以下の3種類です。

・菩提寺とのトラブル
・石材店とのトラブル
・親族とのトラブル

ひとつずつ見ていきましょう。

菩提寺とのトラブル

墓じまいでは、菩提寺との間で「閉眼供養を行わない」「ご遺骨の引き渡しを拒否される」「改葬を拒否される」といったトラブルが発生することがあります。

また、指定石材店以外での撤去を認めてもらえなかったり、稀に高額な離檀料を請求されたりするケースも見受けられます。

石材店とのトラブル

墓じまいでは、墓石の撤去や解体を石材店に依頼する必要があります。ただし、以下のようなトラブルが多く見受けられます。

・相場よりも高額な解体撤去費用の請求
・墓石の不法投棄
・ずさんな工事
・業者選びの制限

親族とのトラブル

墓じまいの費用は決して安くないため、負担割合に関する意見の相違が金銭トラブルにつながることがあります。

また、親族・遺族への相談不足の結果、「改葬先のお墓が遠い」「新しいお墓を勝手に決められた」「故人は別の供養方法を望んでいた」といった反発を受けることも珍しくありません。

墓じまいのトラブルを回避する方法

墓じまいは故人を供養するためにもしっかりと行うことが大切です。しかし一方で、多くの関係者が存在するため、慎重な進行が求められます。

ここからは、墓じまいのトラブルを回避する方法を3つ紹介します。

⇛墓じまいのトラブル対策についてはこちらの記事でも詳しく解説しています

お墓の管理者に事前に相談する

これまでお墓を管理してくれた菩提寺に対し、いきなり「墓じまいをしたい」と決定事項を伝えると、不快感を抱かれてしまいます。

菩提寺には、あくまでも「今後の供養について相談したい」という姿勢で話を進め、墓じまいが必要になった理由や背景を丁寧に説明しましょう。

信頼できる石材店に依頼する

お墓の撤去費用は、墓石のサイズや墓地の区画によって高額になる傾向にあり、地域や施工方法によっても変わります。

そのため、複数の業者に見積もりを出し、費用やサービス内容を比較して、信頼できる石材店を選ぶことが重要です。

親族間で十分に話し合う

墓じまいは親族や遺族にとって大きな決断です。そのため、墓じまいを検討する際には、親族の考え方や価値観を尊重し、双方が納得できるよう話し合いを重ねる必要があります。

また、誰が費用を負担するのかでトラブルにならないためにも、工事費や改葬にかかる概算費用の見積もりを取得し、総額が算出できたら各家庭の費用負担の割合について話し合いましょう。

円満な墓じまいの進め方【8ステップ】

円満な墓じまいのためには、以下のステップを踏むことが推奨されます。

ステップ1.親族の同意を得る
ステップ2.お墓の現状を確認する
ステップ3.墓じまいを申し入れる
ステップ4.新たな納骨先を決める
ステップ5.墓じまいを依頼する
ステップ6.改葬許可証を受け取る
ステップ7.ご遺骨を取り出す
ステップ8.墓地を管理者に返還する

ひとつずつ見ていきましょう。

ステップ1.親族の同意を得る

最初にすべきことは、お墓やご遺骨に関係する親族から墓じまいの同意を得ることです。

お墓に対する価値観は多様化したものの、「お墓は代々受け継ぐべき」という考え方も根強く残っています。

親族の同意を得ないまま墓じまいを進めると、トラブルにつながる可能性があります。トラブルを未然に防ぐためにも、墓じまいを検討した理由や墓じまい後の予定などを丁寧に説明し、親族全員に納得してもらいましょう。

なお、一般的には関係者全員を集めてまとめて話すよりも、個別にじっくり話すほうが理解を得られやすい傾向にあります。

ステップ2.お墓の現状を確認する

次に、墓じまいを予定しているお墓の状態を確認します。チェック項目は次の3点です。

①お墓に何柱のご遺骨が入っているか
②お墓の大きさや面積
③土葬されているご遺体の有無

これらは、墓石の解体費用やご遺骨の改葬費用を見積もる際に必要な項目です。

円滑な手続きのため、あらかじめお墓の管理者や運営者に確認しておきましょう。

ステップ3.墓じまいを申し入れる

親族の同意とお墓の現状確認が済んだ後は、お墓の管理者である霊園や菩提寺に墓じまいを申し入れます。

墓じまいを申し入れるときは、伝え方に注意が必要です。説明不足が原因で、高額な離檀料を請求されたケースも存在します。

まずは「相談」という姿勢で墓じまいについて話し、墓じまいを検討した理由や事情を丁寧に伝えましょう。

参考:実家の「墓じまい」したいのに寺が拒否、離檀料300万円請求も|朝日新聞

ステップ4.新たな納骨先を決める

次に、墓じまいで取り出したご遺骨の供養方法を決定します。

選択肢としては、別の一般墓や永代供養墓への「改葬」、海や山への「散骨」などがあります。

「お墓の後継者がいない」「遠方でお墓参りできない」という場合は、お墓を持たない散骨や永代供養墓への改葬がおすすめです。

ステップ5.墓じまいを依頼する

墓じまいには、墓石の撤去や解体、墓地の整地といった原状回復作業が含まれます。これらの作業には専門的な技術が必要なため、石材店や経験豊富な専門業者への依頼がおすすめです。

複数の業者から見積もりを取得し、費用やサービス内容などを比較したうえで「ここに任せたい」と思える業者を選びましょう。

ステップ6.改葬許可証を受け取る

別のお墓にご遺骨を移す場合には「改葬許可証」が必要です。改葬許可証は、現在お墓のある地域の自治体で申請します。

一般的に、申請には以下の書類が必要です。

①自治体窓口から入手した「改葬許可申請書」
②現在のお墓の管理者が発行する「埋葬証明書」
③新しいお墓の管理者が発行する「受入証明書」

ステップ7.ご遺骨を取り出す

お墓を閉じてご遺骨を取り出すときは、「魂抜き(閉眼供養)」を行います。これは、お墓に宿るご先祖様や故人の魂を抜き取るための儀式です。

閉眼供養を無事に終えたら、ご遺骨を納骨室(カロート)から取り出します。

ステップ8.墓地を管理者に返還する

お墓の区画は霊園や菩提寺から借りているものであり、所有権はありません。

したがって、お墓の撤去や整地後、その使用権を管理者に返還する必要があります。

なお、別の一般墓や永代供養墓に改葬する場合、僧侶に依頼し新たな納骨先で「魂入れ(開眼供養)」が必要です。「魂入れ(開眼供養)」とは、新しいお墓にご先祖様や故人の魂を入れるための儀式です。

これら一連の手続きが終われば、墓じまいは終了です。

⇛墓じまいの流れや手続きについてはこちらの記事で詳しく解説しています

プロに相談すれば墓じまいのその後も安心

墓じまいは複雑な手続きや関係者とのやり取りが必要なため、トラブルが発生するリスクがあります。

トラブルを回避し、個人の負担を軽減するためにも、信頼と実績のあるプロの墓じまい専門業者に相談することをおすすめします。

「各家庭に最適なプランの提案」「全国エリア対応」「役所手続きの代行」など、墓じまいをトータルサポートしてくれる業者に依頼すれば、その後も安心です。

⇛墓じまいの代行業者や業者選びのポイントについてはこちらの記事で詳しく解説しています

まとめ

本記事では、墓じまい後の供養方法やトラブルの回避方法について解説しました。

墓じまいは多くの関係者とのやり取りが必要なため、十分な話し合いをせずに進めるとトラブルに発展する可能性があります。

トラブルを起こさず円満に墓じまいを終えるためには、プロの墓じまい代行業者への依頼がおすすめです。

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