2024.04.27

コラム

墓じまいに適切な時期はある?避けたほうが良いタイミングや手順を解説

「墓じまい」とは、お墓を解体し、更地に戻してから使用権を寺院や霊園へ返還することです。

後継者不足や遠方への参拝が難しいなどの理由から、近年「墓じまい」を選ぶ人が増えています。特に少子化の影響は深刻で、無縁墓も増加しています。

墓じまいを検討している方のなかには、「いつ墓じまいを始めたらいいのか?」と悩む方が多いのではないでしょうか。

本記事では、墓じまいに適した時期と避けたほうが良いタイミング、円滑に進めるための手順を解説します。

墓じまいに適切な時期はある?

墓じまいを行う時期に、絶対的なルールや決まりはありません。

家族や親族の状況に応じて、任意のタイミングで墓じまいを行うのが一般的です。

墓じまいを避けた方が良い時期

墓じまいの準備はいつ始めても問題ありません。

ただし、墓じまいを希望する日時に行えないことが多い、という理由から、以下の時期は避けることをおすすめします。

・寺院や石材店の繁忙期(お盆・お彼岸)
・梅雨の時期や豪雪地帯の冬季
・年末年始

それぞれ詳しく見ていきましょう。

寺院や石材店の繁忙期

お盆やお彼岸など、法要が多い時期は寺院の繁忙期となります。

墓じまいでは、遺骨を取り出すときに魂抜きの儀式として「閉眼供養」を行います。僧侶を招いて読経供養をお願いする必要があるため、寺院の繁忙期は避けたほうが無難です。

また、墓石の解体撤去を行う石材店も、お盆やお彼岸の時期は繁忙期にあたります。希望する日に作業できないことが多いため、注意が必要です。

梅雨の時期や豪雪地帯の冬季

梅雨のシーズンや豪雪地帯の冬季は、足場が悪くお墓の解体・撤去工事が行えないため、できれば避けましょう。

墓じまいでは墓石の解体や撤去を行います。このとき、クレーンや重機で墓石を吊り上げるため、墓石が濡れて滑り落ちないよう、原則として晴れているときに工事を行います。

また、雪が積もる地域では、お墓自体が雪で埋もれて工事ができないこともあるため、豪雪地帯の冬季や積雪が予想される時期は避け、雪解けを待つようにしましょう。

年末年始

年末年始はお墓参りの人が増える時期であるため、お墓の解体や撤去工事を行うには不向きです。

また、年末年始やお盆、お彼岸の時期は、近隣のお墓を訪れる人も多くなります。すぐ近くに人がいる状態では工事も進めにくく、お参りに来た人たちも近くで工事が行われていては、落ち着いて手を合わせることができません。

墓じまいの検討に適した時期

墓じまいを家族や親族に相談し、検討するのに適した時期としては以下が挙げられます。

・お盆やお彼岸の時期
・親族一同が集まるとき
・人生の節目を迎えたとき
・終活を始めたとき
・病気になったとき
・身内に不幸があったとき

ひとつずつ見ていきましょう。

お盆やお彼岸の時期

お盆やお彼岸は、年忌法要やお墓参りが盛んに行われる時期です。この時期に以下のような状況に直面し、墓じまいを検討するようになったケースが多く見受けられます。

・高齢化や体力低下により、お墓参りに行くことが難しくなった
・お墓の維持管理が困難になった

お盆やお彼岸は、ご先祖様へ感謝の気持ちを伝えるだけでなく、お墓の状態を直接確認する貴重な機会です。墓じまいを検討する時期として適しています。

親族一同が集まるとき

年末年始や法事は、親族が集まり、普段なかなか話せない人と交流できる貴重な機会です。

特に法事は遠い親戚とも顔を合わせるチャンスであり、お墓の現場や将来計画について親族間で意見交換するのに適しています。

人生の節目を迎えたとき

退職や還暦などの人生の節目は、これまでの人生を振り返り、これからの生き方について考える機会となります。

将来への具体的な準備を始めるタイミングとしても最適であり、その一環として墓じまいを検討する人も少なくありません。

終活を始めたとき

終活を通じて自分らしい人生の終わり方を考え始めたときも、お墓の問題を見つめ直す良い機会です。

特に現代では、子供への負担を減らすために墓じまいを検討する親御さんも増えています。

病気になったとき

以下のような状況で墓じまいを検討するケースが増えています。

・病気や怪我により、一人でのお墓参りが困難になった
・介護が必要となり、介添えなしでは外出できない

特に遠方にあるお墓の場合は、車の運転も必要です。足腰が弱り、一人で行動することが難しくなると、お墓参りの負担はさらに大きくなります。

このような状況を考慮し、墓じまいを検討する方々が増えています。

身内に不幸があったとき

大切な人が旅立ち、心痛の中、次に考えなければならないのが供養先です。

現在のお墓が遠方にある場合や、高齢化などで維持管理が困難な場合は、墓じまいという選択肢も視野に入ります。

また、お通夜や告別式など親族が集まるタイミングは、将来について話し合う貴重な機会にもなります。

墓じまいにかかる期間

墓じまいは、親族や寺院との相談、新しい供養先探し、行政手続き、墓石の撤去工事など、さまざまな工程を経るため、完了までに1か月から数年かかる場合もあります。

ただし、墓じまいの施主が決定権を持ち、関係者との調整が不要な場合は、1か月以内に工事を完了させることも可能です。

墓じまいの手順・流れ

墓じまいは、大きく次の8つのステップで構成されています。

・ステップ1親族の同意を得る
・ステップ2お墓の現状を確認する
・ステップ3新たな納骨先を決める
・ステップ4墓じまいを申し入れる
・ステップ5墓じまいを依頼する
・ステップ6改葬許可証を受け取る
・ステップ7ご遺骨を取り出す
・ステップ8墓地を管理者に返還する

墓じまいがスムーズに進められるよう、墓じまいの手順や流れを見ていきましょう。

ステップ1:親族の同意を得る

墓じまいを始める前に、お墓の維持管理や納められているご遺骨に関係する親族全員から、墓じまいへの同意を得ることが必要です。

「故人に手を合わせたい」「絶対にお墓参りをしたい」といった想いから、墓じまいに反対する方も少なくありません。

墓じまいを検討した理由や墓じまいを終えた後の予定を丁寧に説明し、親族一人ひとりに納得してもらうことが大切です。後のトラブルを防ぐためにも、親族からの同意は欠かせません。

ステップ2:お墓の現状を確認する

墓じまいに先立ち、お墓の状態を確認します。チェック項目は次の3点です。

①お墓に入っているご遺骨の数(柱)
②お墓の大きさや面積
③土葬されたご遺体の有無

ご遺骨の数、お墓の大きさや面積は、墓じまいをスムーズに進めるために確認しておきたい項目です。お墓の管理者や運営者などに事前確認しておきましょう。

ステップ3:新たな納骨先を決める

墓じまいで取り出したご遺骨は、別の方法で供養する必要があります。主な供養方法としては、別の一般墓や永代供養墓への「改葬」、海へ散骨を行う「海洋散骨」などが挙げられます。

「お墓の維持管理が難しい」「お墓の後継者が見つからない」といった理由で墓じまいを検討している場合は、海洋散骨のようなお墓を持たない供養方法がおすすめです。

一方で、お墓の管理が可能であれば、一般墓への改葬も選択肢の一つになります。

ステップ4:墓じまいを申し入れる

親族からの同意とお墓の現状確認が済み、新たな納骨先が決まったら、霊園や寺院などお墓の管理者に墓じまいの意向を伝えます。

お墓の管理者に墓じまいの意向を伝えるときは、伝え方に注意が必要です。不適切な説明や唐突な報告であったために、高額な離檀料を請求されたケースもあります。

トラブルを避けるためにも、墓じまいを考えた理由や事情を丁寧に説明し、理解を得ましょう。

ステップ5:墓じまいを依頼する

墓じまいでは、お墓にある墓石の撤去や、墓地区画の更地工事などが必要です。

これら墓じまいにともなう工事は専門知識や技術が求められるため、石材店や専門業者への依頼が推奨されます。

墓じまいの費用は、墓石の大きさや墓地の面積などによって異なります。そのため、複数の業者から見積もりを取得し、費用やサービス内容などを比較検討することが大切です。

ステップ6:改葬許可証を受け取る

ご遺骨を新しいお墓に移す場合、現在お墓のある場所の自治体に「改葬許可証」を申請する必要があります。

申請書には、現在のお墓の管理者が発行する「埋葬証明書」と、新しいお墓の管理者が発行する「受入証明書」などを添付します。いずれも受領したら、大切に保管しましょう。

なお、公営霊園や市営墓地の場合は、墓所の返還手続きも別途必要になることを覚えておきましょう。返還手続きの必要書類は自治体によって異なるため、詳しくは自治体窓口に問い合わせてください。

ステップ7:ご遺骨を取り出す

お墓を建てるときは「魂入れ(開眼供養)」という法要を行い、お墓を閉じてご遺骨を取り出すときは「魂抜き(閉眼供養)」を行います。

閉眼供養は、お檀家さんであれば、お世話になっている菩提寺に依頼します。菩提寺がない場合は、墓地管理者や墓じまいの施工業者に相談しましょう。

無事に閉眼供養が終わったら、納骨室(カロート)からご遺骨を取り出します。

ステップ8:墓地を管理者に返還する

墓じまいでは、お墓の撤去・解体、墓地の更地といった原状回復工事を行い、その区画の使用権を管理者に返還する必要があります。

専門知識や技術が必要な原状回復工事は、専門業者への依頼が一般的です。不十分な状態のまま返還するとトラブルになる恐れがあるため、業者選びは慎重に行いましょう。

別の一般墓や永代供養墓に移して改葬する場合は、僧侶に依頼して新たな納骨先で開眼供養を行います。これら一連の流れが終われば、墓じまいは終了です。

墓じまいで悩んだらプロの代行業者に依頼するのがおすすめ

墓じまいには、親族や寺院との話し合い、行政手続きなど、さまざまな工程があります。これら全てを個人で解決するのは、時間と労力がかかり、とても大変です。

そのため、効率的かつスムーズに墓じまいを行いたい場合は、プロの代行業者への依頼がおすすめです。

プロの代行業者なら、墓じまいに関する専門知識と経験を持ち、煩雑な手続きも代行してくれ、施主やその家族の精神的負担を軽減してくれます。

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まとめ

本記事では、墓じまいに適した時期と避けるべきタイミング、円滑な進め方について解説しました。

墓じまいの時期に決まりはありません。ただし、年末年始やお盆、お彼岸といった寺院や石材店の繁忙期は避け、時間に余裕をもって準備しておくことが望まれます。

「お墓の引っ越し&墓じまいくん」は、東証プライム上場・株式会社鎌倉新書のグループ会社である株式会社ハウスボートクラブが運営する、お墓の引っ越し・墓じまい専門サービスです。経験豊富なスタッフが、お客様の事情に合わせてあらゆる形の墓じまいをトータルサポートします。

「初めてのことばかりでわからない」「新しい供養先を相談しながら決めたい」といった悩みがある場合は、気軽にご相談ください。

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