

2025.05.06
墓じまいは誰がする?費用や払えない場合の対処についても解説
お墓の管理ができなくなったり、承継者がいなかったりする事情から、墓じまいを検討する人が増えています。特に、「墓じまいは誰がするのか?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、墓じまいに関する以下のポイントについて、わかりやすく解説します。
・墓じまいは誰がするのか
・墓じまいにかかる費用
・費用が払えない場合の対処法
・費用を抑える方法
・墓じまいをしないとどうなるのか
墓じまいをスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
墓じまいは誰がするのか
墓じまいは誰がするのでしょうか。一般的に、次の3パターンが考えられます。
・祭祀承継者が行う
・家族や親族が協力して行う
・生前に本人が行なう
それぞれの場合について解説します。
祭祀承継者が行う
墓じまいの実施者について法的な決まりはありませんが、一般的には祭祀承継者が担当するケースが多く見受けられます。ただし、墓じまいは家族や親族それぞれの想いが関わるため、事前によく話し合ったうえで進めることが大切です。
故人の財産を相続した人が祭祀承継者である場合は、墓じまいの費用もその人が負担するケースが多いでしょう。ただし、必ずしも祭祀承継者が単独で費用を負担するわけではありません。家族や親族で話し合い、負担を分担することも可能です。
家族や親族が協力して行う
家族や親族が相談のうえ、協力して墓じまいを行うことも少なくありません。墓じまい後の遺骨の納骨先やお墓の解体・撤去作業の手配、閉眼供養や開眼供養の依頼などについて、事前にしっかり話し合いましょう。
また、費用負担についても、家族・親族それぞれの事情を共有し、全員が納得できる形で墓じまいを進めることが大切です。
生前に本人が行う
墓じまいは、生前のうちに本人が費用を負担して行うこともあります。特に、承継者がいないケースや、自身の死後に配偶者や子どもへ負担をかけたくないと考える人が、自ら墓じまいを済ませることが増えています。
また、墓じまいの実施ではなく、必要な費用のみを準備しておき、遺言書やエンディングノートに墓じまいの具体的な進め方や希望を記しておくという方法も選択肢の一つです。
墓じまいにかかる費用
墓じまいに必要な費用は、主に以下の4つの項目に分類されます。
・改葬先にかかる費用
・お寺にかかる費用
・行政手続きにかかる費用
・墓石の解体・撤去にかかる費用
それぞれの内容と費用の目安について解説します。
改葬先にかかる費用
墓じまいをする際には、お墓から取り出した遺骨の改葬先、すなわち新しい納骨先を決めておかなければなりません。
墓じまい後の代表的な改葬先とそれぞれの費用の目安は、以下のとおりです。
1)一般墓:
遠方のお墓を墓じまいし、自宅近くに新たなお墓を建てるケースです。遠くのお墓を墓じまいして、自宅近くに新しいお墓を建てる人もいます。お墓の石材やデザインによっても異なりますが、費用の目安は80〜250万円程度です。
2)納骨堂:
屋内に遺骨を納める施設です。ロッカー式や自動搬送式など、タイプや立地によって費用は変わります。費用の目安は10〜150万円程度です。
3)樹木葬:
自然景観の中に植えられた樹木を墓標とするスタイルで、承継者が不要な点が特徴です。費用の目安は20〜80万円程度です。
4)散骨:
遺骨を粉末化して、海や山などの自然環境にまく供養方法です。最も一般的なのが海洋散骨で、専門業者に依頼して行います。費用の目安は5〜70万円程度です。
5)合祀墓:
他の方の遺骨と一緒に埋葬するタイプのお墓です。比較的費用は抑えられますが、一度納骨すると遺骨を取り出せません。費用の目安は5〜30万円程度です。
6)手元供養:
遺骨を自宅に保管したり、アクセサリーに加工して身につけたりする供養方法です。自宅で保管するだけであればミニ骨壺を用意するだけで十分ですが、手元供養品を作る場合は加工費用が発生します。費用の目安は数千円〜10万円程度です。
お寺にかかる費用
墓じまいをする際には、墓石から魂を抜く「閉眼供養」という儀式を執り行うのが一般的です。僧侶に墓前で読経をしてもらい、その際にお布施を渡します。お布施の金額の目安は、3〜5万円程度です。
また、寺院墓地の場合、墓じまいをすると檀家を離れることになります。その際、お寺によって考え方は異なりますが、離檀料を求められる場合もあります。金額については事前にしっかり確認しておきましょう。
行政手続きにかかる費用
墓じまいを進めるには、自治体から改葬許可証を発行してもらう必要があります。この際、手数料がかかることがあり、目安は数百円程度です。
また、新しい納骨先が霊園や寺院のお墓である場合には、受入証明書を発行してもらいます。こちらも同様に、発行手数料の目安は数百円程度です。
墓石の解体撤去にかかる費用
墓石の解体撤去は、専門業者に依頼します。墓石の撤去から基礎部分の解体、更地化作業、さらに石材やコンクリート、残土などの処分までを一括して請け負ってもらいます。
お墓の立地、墓石の形状と数、墓地の面積などによってかかる費用は異なりますが、墓地面積1㎡あたり10万円程度が目安です。
墓じまいにかかる費用が払えない場合の対処方法
墓じまいの費用負担が難しい場合は、以下の3つの対処方法が考えられます。
・親族に相談する
・墓じまいへの補助金制度を利用する
・メモリアルローンを利用する
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
親族に相談する
墓じまいにかかる費用は、高額になることもあります。自分ひとりでは負担が難しい場合には、まず親族に相談してみましょう。
お墓は祭祀承継者だけのものではなく、お墓参りをする親族全員のものでもあります。十分に話し合い、皆が納得できる形で墓じまいを進めることが重要です。
墓じまいへの補助金制度を利用する
自治体によっては、公営霊園での墓じまいに対して補助金制度や助成制度を設けている場合があります。
これらの制度を利用すると、以下のような支援を受けられる可能性があります。
・墓地を更地に戻すための費用の全部または一部の助成
・墓じまい後の納骨先が公営の合祀墓地の場合、施設使用料の一部免除
墓じまいへの補助金制度があるかどうかは、自分が住んでいる自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
メモリアルローンを利用する
メモリアルローンとは、お墓や葬儀に関する費用に利用できるローンです。墓じまいも対象となっていることが多いため、利用を検討してみましょう。
メモリアルローンは金利が比較的低く、審査も通りやすいのが特徴です。最寄りの金融機関に、メモリアルローンの取り扱いがあるかどうか、事前に問い合わせてみましょう。
墓じまいの費用を抑える方法
墓じまいの費用を少しでも抑えたい場合は、次の3つの方法を検討してみましょう。
・複数の業者から見積もりを取る
・改葬先を選ぶ
・専門業者に依頼する
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
複数の業者から見積もりを取る
墓じまいを業者に依頼する際は、可能であれば複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。複数の見積もりを比較することで、費用内訳の妥当性や相場感がつかめるでしょう。
ただし、民営墓地や寺院墓地の場合は、あらかじめ業者が指定されているケースもあります。指定業者があるかどうか、事前に墓地管理者に確認しておくことが大切です。
改葬先を選ぶ
墓じまいの総費用を大きく左右するのが、改葬先の選択です。最も費用が高額になるのは、一般墓を新たに建てるケースです。
費用を抑えたい場合は、永代供養墓(合祀墓)への納骨を選ぶとよいでしょう。ほかにも、散骨や手元供養も、費用を比較的抑えられる選択肢です。
ただし、費用だけで決めず、納得できる供養方法を選ぶことが重要です。後悔のないよう、家族ともよく話し合いましょう。
専門業者に依頼する
墓じまいの専門業者に相談することで、費用を抑えられる場合があります。専門業者は墓じまいに関する豊富なノウハウや実績を持っており、効率的に作業を進めることでコストダウンが期待できるためです。
ただし、費用の安さだけで業者を選ぶのはリスクも伴います。トラブルを防ぐためにも、信頼できる業者を慎重に見極めて依頼しましょう。
墓じまいをしないとどうなるのか
墓じまいをしないまま放置すると、次のような問題が発生する可能性があります。
・管理費の未納が問題になる
・お墓が解体・撤去される
・無縁墓のまま放置される
それぞれについて解説します。
管理費の未納が問題になる
お墓を所有していると、年間数千円〜2万円程度の管理費が発生します。墓じまいをせずにお墓を放置すると、管理費を払い続ける義務が残ることになります。
もし管理費の支払いを怠ると、督促を受けたり、悪質な場合には訴訟を起こされる可能性もあるため、注意が必要です。
お墓が解体・撤去される
墓じまいをせずにお墓を放置していると、最終的には管理者によってお墓を解体・撤去される可能性があります。
1)公営墓地の場合:
自治体によって対応は異なりますが、管理費の長期滞納や無縁化が認められた場合、公費(税金)によってお墓が更地化されることがあります。
2)寺院墓地の場合:
一定期間お墓が放置され、管理費の滞納が続くと、寺院の判断でお墓を解体・撤去し、遺骨を合祀墓へ移すケースがあります。
無縁墓のまま放置される
墓地管理者によっては、墓じまいされないお墓は、無縁墓としてそのまま放置されることもあります。
合祀墓に移される場合は、少なくとも集合的な供養が継続されますが、無縁墓として放置されると適切な供養が行われなくなります。
大切なご先祖様をきちんと供養するためにも、墓じまいを行い、何らかの形で遺骨の供養先を確保することをおすすめします。
まとめ
墓じまいは、祭祀承継者が行う場合や、家族・親族が協力して行う場合、生前に本人が自ら行う場合などがあります。それぞれの事情に応じて、適切な方法で墓じまいを進めていきましょう。
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墓じまい後の遺骨の供養先として「永代供養」や「海洋散骨」をお考えの方には、以下の2つのセットプランがおすすめです。
・ご先祖あんしん永代供養パック:墓じまいと永代供養のセットプラン
・ご先祖あんしん海洋散骨パック:墓じまいと海洋散骨のセットプラン
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