2023.05.12

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墓じまいの費用相場・内訳は?負担を減らす3つのポイント

「お墓の後継者がいない」「お墓が遠方でお参りや維持管理ができない」という理由から、墓じまいを検討する方が増えています。

しかし、墓じまいに必要な費用やその内訳がわからず、お困りの方も多いのではないでしょうか。墓じまいは、取り出したご遺骨をどう納骨・供養するかで費用が大きく変わります。

本記事では、墓じまいの費用相場や内訳をお伝えしながら、金銭的な負担を減らすポイントを紹介します。墓じまいにかかる費用の全体像をイメージする際の参考にしてみてください。

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墓じまいとは

墓じまいとは、お墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地にして使用権を管理者に返還することです

近年は、少子高齢化によりお墓の後継者不足に直面するご家族が増えています。また、都市部の人口集中により、地方のお墓はお参りや維持管理が難しくなりました。そのような背景から、墓じまいを選択する方が増えています。

墓じまいの費用相場はどのくらい?

条件により費用はさまざまですが、一般的な墓じまいの費用相場は30万円〜300万円です

墓石の撤去だけであれば平均30万円程度だと言われています。ところが、墓じまいで取り出したご遺骨の廃棄や放置は法律で禁止されているため、何かしらの方法で供養しなければなりません。具体的な供養方法としては、別の一般墓や永代供養墓などに移す「改葬」や、細かく砕いて海や山などに散布する「散骨」などが挙げられます。

また、ご遺骨を取り出したりお墓を移動したりするときは、行政上の手続きが必要です。

まとめると、墓じまいの費用とは、現在のお墓を返還する際の原状回復と行政手続き、供養が終わるまでに要するトータル費用といえるでしょう。

墓じまいにかかる費用の内訳

墓じまいにかかる費用の内訳は次の3つです。

・お墓の撤去費用:現在のお墓の原状回復にかかる費用
・行政手続き費用:お墓の移動やご遺骨の取り出しにともなう手続きの費用
・改葬費用:改葬や散骨などにかかる費用

ここからは、それぞれの内訳を具体的に解説していきます。

お墓の撤去費用

墓じまいしてお墓を管理者に返還するときは、墓石を撤去し、区画を更地にしなければなりません。また、場合によっては、法要に対するお布施、檀家を離れるための費用なども発生します。

まずはお墓の撤去に関する費用を次の3つに分類して、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

・墓石の撤去費用
・お布施代
・離檀料

墓石の撤去費用

墓石の撤去費用の相場は、1㎡あたり約10万円です

基本的に撤去費用には、お墓にある墓石を解体・撤去して処分する費用、墓地区画の整地・更地にする費用が含まれています。

墓石の撤去は自ら近隣の石材店に依頼することが一般的ですが、お墓のある民間霊園や寺院から石材店を指定されるケースもあります。悪質な石材店だと高額な請求をしてくることもあるため、費用相場と見積もり額が大きく乖離していないか確認が必要です。

お布施代

お墓からご遺骨を取り出す際、僧侶を招いて、お墓に対して閉眼供養を行う必要があります。閉眼供養とは法要のひとつで、お墓に宿っている故人の魂を抜き取るための儀式です。

一般的に、閉眼供養では、読経してくれた僧侶に対してお布施を渡します。寺院によりさまざまですが、お布施代の相場は3万円〜5万円です

離檀料

寺院が管理するお墓でのみ必要になるのが、離檀料です。離檀とは、檀家を辞めること、寺院との関係を断つことを意味します。

寺院から請求してくるケースは少ないものの、数百万円という高額な離檀料を請求されたケースがあることも事実です。

参考:実家の「墓じまい」したいのに 寺が拒否、離檀料300万円請求も|朝日新聞

あらかじめ親族や墓じまい業者に相談し、お墓のある地域や寺院の離檀料の相場について情報収集しておくことが望まれます。万が一、高額な請求をされて話がまとまらない場合は、弁護士や市区町村役所の窓口に相談しましょう。

行政手続き費用

墓じまいではご遺骨の取り出しやお墓の移動などがともなうため、行政上の手続きが求められます。手続きには、市区町村や寺院などが発行した書類が必要です。

必要な書類は次の3点です。

・埋蔵証明書(埋葬証明書):現在のお墓から取得
・受入証明書:新しい納骨先から取得
・改葬許可証:「埋蔵証明書」「受入証明書」を提出し、市区町村役所から取得

上記の書類発行にかかる費用を合計すると、行政手続きの費用相場は数百円〜1,500円程度になります

改葬費用

お墓から取り出したご遺骨を供養するために、新たな納骨先(改葬先)を用意する必要があります。改葬費用は、主に次の2つです。

・新たな納骨先を用意する費用
・お布施代

ひとつずつ見ていきましょう。

新たな納骨先を用意する費用

新たな納骨先を用意する費用の相場は、5万円〜250万円です。なぜ大きな幅があるのかというと、どの方法で供養するかで金額が異なるからです。

お墓から取り出したご遺骨は、廃棄したり放置したりしてはいけません。供養するために新たな納骨先が必要です。新たな納骨先が一般墓なら80万円〜250万円、永代供養墓なら5万円〜150万円程度の費用がかかります。

ただし、ご遺骨をお墓に納めなければならないという法律はありません。散骨による供養も認められています。「故人は自然が好きだった」「思い出のある海に還してあげたい」という故人の意思や親族の意向を考慮し、散骨を選択する方も増えています。散骨の費用相場は5万円〜70万円です。

このように、費用は供養方法によって大きく変わります。故人やご先祖様たちの意思を尊重しながら、親族が納得する供養方法を選べるよう十分に話し合いましょう。

お布施代

以前のお墓から取り出したご遺骨を新しいお墓に納める場合、僧侶を招き、お墓に対して開眼供養を行う必要があります。開眼供養とは、お墓に故人の魂を入れるための儀式です。

開眼供養では、読経をしてくれた僧侶に対してお布施を渡します。閉眼供養同様、寺院ごとに異なりますが、お布施代の相場は3万円〜10万円です

墓じまい後の主な納骨先と費用相場

墓じまいの費用は、どの納骨先や供養方法を選ぶかによって大きく変わります。

一般的に選ばれている主な納骨先は、以下のとおりです。比較材料として参考にしてみてください。

・永代供養墓:5万円〜150万円
・一般墓:80万円~250万円
・納骨堂:10万円〜150万円
・樹木葬:20万円〜80万円
・散骨:5万円〜70万円

墓じまいの費用は高い?トラブルにならないためには

墓じまいでは、費用が高額になることもあります。また、トラブルが起こりやすいため注意が必要です

ここからは起こりやすいトラブルと回避策・対策について、「親族」と「寺院」のケースに分けて解説します。

親族間のトラブル

墓じまいには、墓石の撤去費用や離檀料、新しいお墓を用意する費用などが発生します。また、ご遺骨の数が多かったり、お墓を新たに建てたりする場合は、さらに費用が上乗せされます。

ご先祖様や家族のためではあるものの、費用負担の面で話がまとまらず、金銭トラブルに発展することも珍しくありません。

墓じまいの費用は30万円〜300万円と、決して安くはありません。事前に費用負担の割合を話し合っておくことで、親族間での不要なトラブルを避けましょう

寺院とのトラブル

墓じまいでは、お墓を管理する寺院から離檀料を請求されることがあります。なかには、数百万円という法外な金額を請求されたケースも存在します。

ほかにも、寺院が指定する石材店でしかお墓の撤去を認めてもらえず、高額な撤去費用を要求されたという話も珍しくありません。

さらに、改葬では改葬許可証を発行しますが、現在のお墓の管理者から「離檀料を支払わなければ、捺印や書面発行などの協力はしない」と言われるケースも存在します。

このように、寺院との連携がうまく取れないまま墓じまいを進めると、思わぬトラブルに直面する可能性があります。トラブルを回避するためには、墓じまいの手続き前に「相談」という形で寺院側に話を持ちかけ、墓じまいを検討する理由や事情を丁寧に伝えておきましょう。

墓じまいの費用負担を減らすためのポイント3選

「費用が高額で払えない」という状況にならないためにも、可能な限り墓じまいに関する費用負担を減らしたいものです。

ここでは、墓じまいの費用負担を減らすためのポイントを紹介します。ポイントは以下の3つです。

・自治体の制度を利用する
・墓石の撤去費用を抑える
・新たな納骨先を用意する費用を抑える

ひとつずつ見ていきましょう。

自治体の制度を利用する

それほど多くはありませんが、墓じまいに対する補助金制度や、墓じまいをサポートしてくれる自治体もあります

その背景にあるのは無縁墓(無縁仏)対策です。無縁墓とは、お墓の管理者が不在のまま放置されているお墓を意味します。

管理されなくなった無縁墓は、通常お墓の管理者や自治体が撤去します。この撤去費用は管理者や自治体が負担することになるため、自治体としては無縁墓を増やしたくありません。

墓じまいに対する負担を軽減するためにも、補助金制度やサポート制度があるのかを、お墓のある市区町村役所の窓口に確認してみましょう。

墓石の撤去費用を抑える

墓石の撤去費用は石材店により異なります。悪徳な業者だと知らずに依頼すると、あとから高額な費用を請求される恐れがあるため注意が必要です。

不要な支出を避けるためにも、複数の石材店から見積もりを取得し、費用相場と照らし合わせながら比較検討するようにしましょう

なお、撤去後の墓石は「産業廃棄物」になります。産業廃棄物の処分には、各都道府県からの許認可が必要です。許認可を取得している石材店に依頼すると、より安心できるでしょう。

新たな納骨先を用意する費用を抑える

墓じまいでは、取り出したご遺骨をどこに納骨するかで費用が大きく変わります。例えば、納骨先が一般墓なら最大250万円、永代供養墓なら最大150万円程度の費用がかかります。

一方、最も費用を抑えられる方法が散骨です。散骨は、パウダー状にしたご遺骨を海や山に散布するため、お墓を用意する必要がありません。お墓がないため、お墓の管理をする手間や管理費の支払いも不要です。

散骨の費用相場は5万円〜70万円と、将来に渡って負担がかからない供養・葬送方法といえます。そして、散骨のなかでも近年増えているのが海洋散骨です。

海洋散骨ではご遺骨をパウダー状に細かく粉骨し、海洋に散布します。ただし、散骨には細かなルールやマナーが存在するため、知らずに行うと法律違反や近隣住民とのトラブルになりかねません。

散骨業者に依頼する場合は、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」を遵守していることや、日本海洋散骨協会の加盟事業者かどうかを確認するよう心がけましょう。

まとめ

本記事では、墓じまいの費用相場や内訳、トラブルの回避方法などを解説しました。

墓じまいの費用は、墓石撤去だけであれば30万円程度ですが、新たにお墓を建てる場合の総額は300万円程度です。

墓じまいを検討するときは、費用負担と改葬先をあらかじめ親族内で話し合い、お墓の管理者とも相談しておくとトラブルを回避できるでしょう

墓じまいを検討中の場合は、まずは気軽にお墓の引越し&墓じまいくんにお問い合わせください。

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【参考記事】

散骨に関するガイドライン|厚生労働省

加盟事業者|日本海洋散骨協会

お墓じまいの費用平均はいくら?総額と内訳、払えない場合の対応も解説|お仏壇のはせがわ

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