2024.12.15
東京での墓じまいの費用相場は?費用を抑えるポイントや供養先も解説
最近では「お墓を継ぐ人がいない」「維持管理が難しい」などの理由で、墓じまいを検討する人が増えています。特に東京で墓じまいを考える方がまず気になるのは、その費用や流れではないでしょうか。
この記事では、墓じまいの基本的な意味から、東京での墓じまいの流れ、費用相場、遺骨の供養先、さらには費用を抑えるポイントについて解説します。
墓じまいとは?
墓じまいとは、お墓を撤去して更地にし、墓地の管理者に使用権を返還する行為を指します。
法律上、遺骨を勝手に取り出して墓じまいを行うことは許されていません。自治体の許可を得るなど、適切な手続きを経た上で行う必要があります。
なお、お墓に納めていた遺骨を取り出すことになるため、新しい供養先を決めることも墓じまいに含まれます。
東京で墓じまいを行う流れ
東京での墓じまいは、主に以下の6ステップに沿って進められます。
1.親族に相談する
2.寺院や霊園に相談する
3.ご遺骨の供養先を決める
4.業者を決める
5.必要な書類を役所に提出する
6.閉眼供養と解体工事を行う
それぞれについて、順を追って解説します。
1.親族に相談する
墓じまいを進める前に、必ず親族と話し合いの場を設けましょう。家族だけで決定してしまうと、それまで墓参りをしていた親族や、反対意見を持つ親族から反感を買う可能性があります。
また、相談の過程で、お墓の継承者となってくれる人が現れる可能性もゼロではありません。その場合、墓じまいをしない選択肢も有力となるでしょう。
親族間のトラブルを未然に防ぐためにも、墓じまいを検討した理由や墓じまい後の予定などを丁寧に説明し、親族全員に納得してもらうことが大切です。
なお、一般的には関係者全員を集めてまとめて話すよりも、個別にじっくり話すほうが理解を得られやすい傾向にあります。
2.寺院や霊園に相談する
親族間で合意が得られたら、次にお墓がある寺院や霊園に墓じまいを相談しましょう。
特に、寺院墓地の場合は注意が必要です。墓じまいをするということは、お寺との関係を解消する「離檀」につながるため、報告ではなく相談という形で進めることがポイントです。
事前相談なしで墓じまいを申し出ると、許可が下りない場合や高額な離檀料を請求されることがあります。墓じまいが必要な理由を丁寧に説明し、寺院側の理解を得るように努めましょう。
なお、公営や民営の霊園にお墓がある場合は、霊園の管理事務所に問い合わせて必要な手続きを進めます。寺院墓地よりも比較的スムーズに進むことが多いものの、詳細の確認は欠かせません。
3.遺骨の供養先を決める
墓じまいを行う場合、遺骨の新たな供養先を決める必要があります。供養にかかる費用や供養先へのアクセスなどを考慮して選びましょう。
供養先の選定は、他の手順と並行して進めても問題ありません。親族やお寺と相談を進めている間に、インターネットや資料を活用して供養先を調べておくと効率的です。
4.業者を決める
新たな供養先が決まったら、墓石の解体や撤去を行う墓じまい業者を探します。
お寺や霊園に指定業者がある場合は、紹介してもらうと手続きがスムーズに進められます。指定業者がいない場合は複数の業者に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較して判断するとよいでしょう。
5.必要な書類を役所に提出する
ご遺骨を別のお墓に移す際には「改葬許可証」が必要です。改葬許可証は、現在のお墓がある地域の自治体で申請し、発行してもらいます。
一般的に、申請には以下の書類が必要です。
①自治体窓口から入手した「改葬許可申請書」
②現在のお墓の管理者が発行する「埋葬証明書」
③新しいお墓の管理者が発行する「受入証明書」
6.閉眼供養・解体工事を行う
埋葬されているご遺骨を取り出す前には、僧侶に読経してもらい「閉眼供養」を執り行うことが一般的です。閉眼供養とは、お墓に宿っている故人の魂を抜き、墓石をただの石に戻す儀式です。
閉眼供養が終了したら、お墓からご遺骨を取り出し、お墓の解体工事を行います。墓石を撤去して墓地を更地に戻し、管理者に返還すれば墓じまいは完了です。
東京で墓じまいをする際の費用相場
東京で墓じまいをする場合、主な費用の内訳は以下の通りです。
・墓石の解体・撤去費用
・閉眼・開眼供養のお布施
・行政手続きにかかる費用
・離檀料
それぞれの費用相場について詳しく解説します。
墓石の解体・撤去費用
墓石の解体・撤去は専門業者に依頼するのが一般的です。お墓の広さや墓石の量によっても異なりますが、相場は1㎡あたり約10万円です。
また、お墓の立地条件によっても費用は変動します。例えば、以下のようなケースでは費用が増加する傾向にあります。
・墓地の通路幅が狭い
・山の斜面、または重機が入れない場所にある
・駐車場から墓地が遠く、運搬が困難
・階段を通る必要がある
立地条件が特殊な場合は事前に業者と詳細を確認し、追加費用が発生しないか見積もりを取りましょう。
閉眼・開眼供養のお布施
墓じまいの際には閉眼供養を執り行い、読経していただいた僧侶にお布施を渡します。金額はお寺や地域によって異なりますが、3〜5万円が目安です。
新しい納骨先がお墓である場合には、開眼供養を執り行います。閉眼供養と同様に、僧侶に読経を依頼し、お布施を渡します。閉眼供養同様、寺院や地域ごとに異なりますが、お布施代の相場は3万円〜10万円です。
行政手続きにかかる費用
自治体やお墓の管理者などから「改葬許可証」や「埋葬証明書」などの必要書類を交付してもらうときに、発行手数料が発生します。費用相場は数百円〜1,500円程度です。
離檀料
寺院墓地で墓じまいを行う場合、檀家を辞めることに伴い、寺院から「離檀料」と呼ばれるお布施を請求される場合があります。
もともと離檀料は、寺院への感謝の気持ちを込めて檀家側が包むものであり、寺院との話し合いによって決められるものです。しかし、寺院によっては高額な金額を提示してくる可能性もゼロではありません。
高額請求をされて話がまとまらない場合は、弁護士や自治体窓口へ相談することをおすすめします。
東京での墓じまい後の遺骨の供養先
東京での墓じまい後の遺骨の供養先は、主に以下の3つです。
・永代供養
・散骨
・手元供養
それぞれの供養方法について詳しく解説します。
永代供養
お墓の継承者がいない場合、ご遺骨を永代供養墓に納めて供養してもらう方法が選択肢として考えられます。
永代供養とは、遺族に代わってお寺や霊園が供養と管理を行う方法です。永代供養墓にはいくつか種類があり、他の方の遺骨と一緒に埋葬する合葬墓、納骨堂、樹木葬などがあります。
散骨
遺骨を自然に還す方法として、散骨も選択肢の一つです。散骨では遺骨を粉末化し、海や山などにまきます。
東京近郊では海洋散骨が人気で、墓じまいと散骨を組み合わせたサービスも提供されています。例えばブルーオーシャンセレモニーの「ご先祖あんしん海洋散骨パック」では、墓じまい後の散骨を一貫してサポート可能です。
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手元供養
遺骨を身近に置いて供養したい場合には、手元供養という方法があります。手元供養とは、故人のご遺骨や遺灰の全部、または一部を自宅や身近なところに保管して供養する方法です。
手元供養の具体的な方法としては、コンパクトに安置できるミニ骨壺やミニ仏壇、遺骨をアクセサリーに収納して身に着ける方法、花器やぬいぐるみ、人形・写真立てなどに骨壺を納めてインテリアとして飾る方法があります。
東京での墓じまいの費用を抑えるポイント
東京での墓じまいの費用を抑えるポイントは、以下の4つです。
・複数の業者から相見積もりを取る
・散骨や手元供養を選ぶ
・墓じまい専門業者に依頼する
・自治体の補助金を利用する
それぞれ詳しく解説します。
複数の業者から相見積もりを取る
墓じまいを進める際、複数の業者から見積もりを取ることで、最も費用が安い業者を選べます。ただし価格だけにとらわれず、以下の点を確認することが重要です。
・業者の信頼性:不法投棄を行う悪質な業者に注意する
・サービス内容:解体作業の範囲や追加費用の有無を確認する
また、寺院や霊園によっては指定業者が定められている場合があります。事前に確認しておくことで、トラブルを回避しスムーズな進行が図れます。
散骨や手元供養を選ぶ
新しい納骨先の選択によっても費用は変動します。
例えば、海や山に粉末状にしたご遺骨をまく「散骨」や、自宅やアクセサリーの中にご遺骨を安置する「手元供養」は、比較的費用が抑えられる方法です。これらの方法は単独でも実施できますが、組み合わせることも可能です。
墓じまい専門業者に依頼する
墓じまいを専門に扱う業者に依頼することで、コストだけでなく時間や手間も削減できます。墓じまい専門業者は主に以下のようなサービスを提供します。
・墓石の撤去と解体
・閉眼供養の手配
・行政手続きの代行
・新しい納骨先の相談や手配
樹木葬、永代供養墓、海洋散骨、納骨堂など、さまざまな供養方法に対応しており、自分で手続きを行う場合よりも効率的です。業者を選ぶ際は評判や実績を確認し、安心して依頼できるプロの業者を選びましょう。
自治体の補助金を利用する
自治体によっては、無縁墓を減らすことを目的として、墓じまいに対する補助金や助成金制度を設けている場合があります。
墓石の撤去費用などの一部、あるいは全額が支給されるため、利用できる補助金がないか自治体へ確認してみましょう。
例えば東京都では、都立霊園の使用者でお墓の承継者がいない方を対象とした「施設変更制度」が設けられています。
この制度では、現在使用しているお墓を返還し、ご遺骨を東京都が管理する合葬式墓地に改葬することが可能です。墓石の撤去費用は自己負担となりますが、その後のご遺骨の供養に追加費用はかかりません。
まとめ
東京での墓じまいの費用を抑える方法には、以下の選択肢があります。
・複数の業者から相見積もりを取る
・散骨や手元供養を行う
・墓じまい専門業者に依頼する
・自治体の補助金を活用する
特に都立霊園の使用者であれば、「施設変更制度」の利用が可能なケースがあります。詳細については東京都に問い合わせ、条件を確認してみましょう。
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