2025.01.18

コラム

納骨堂の墓じまいをする方法とは?流れ・費用について解説

一般的なお墓と同様に、納骨堂でも墓じまいを行うケースがあります。ただし納骨堂では墓石の撤去が必要ないため、具体的に何をすればよいのかイメージしづらい人もいるかもしれません。また、費用がどのくらいかかるのかも気になるポイントです。

この記事では、納骨堂の墓じまいの流れや費用、コストを抑える方法、さらには注意点について詳しく解説します。

納骨堂の墓じまいをする流れ

納骨堂の墓じまいは、以下の7つのステップで進めます。

1.契約内容を確認する
2.家族・親族と相談する
3.納骨堂の管理者に相談する
4.遺骨の供養先を探す
5.必要書類を役所に提出する
6.閉眼供養を執り行う
7.新しい納骨先に納骨する

それぞれのステップについて、順を追って解説していきます。

1.契約内容を確認する

納骨堂の墓じまいを始める前に、まずは納骨堂の契約内容を確認しましょう。契約書には、契約解除に関する規約が記載されているはずです。

確認すべき主なポイントは以下の通りです。

・解約の際に違約金が発生するかどうか
・管理費を一括で支払っている場合、返金されるかどうか
・離檀料など追加費用の有無

契約書が存在しない場合や、契約書に解約方法が明記されていない場合は、納骨堂の管理者に相談して具体的な手続きを確認しましょう。

2.家族・親族と相談する

ご自身がお墓や納骨堂の継承者であっても、家族や親族に断りなく墓じまいを進めてしまうと、トラブルに発展する可能性があります。

「お墓や納骨堂は親族で共有しているものである」という認識を持ち、家族や親族と事前に十分話し合いましょう。

なかには墓じまいに反対する人がいるかもしれません。その場合には、丁寧に事情を説明し、理解を得ることが大切です。

また、親族の中から納骨堂を管理し続けたいという人が現れれば、墓じまいをせずに済む可能性があります。

3.納骨堂の管理者に相談する

納骨堂の墓じまいについて家族や親族からの同意を得られたら、納骨堂の管理者にも早めに相談しましょう。

納骨堂が霊園にある場合は、管理事務所に問い合わせます。一方、お寺が管理している場合は檀家関連のことに注意が必要です。

檀家の場合、墓じまいを行うと離檀することになります。離檀はお寺との経済的関係を解消することを意味し、長年お世話になったお寺とのつながりもなくなるため、墓じまいを決めた理由を丁寧に説明することが求められます。

お寺に相談する際には、墓じまいを決定事項として伝えるのではなく、「今後の納骨堂の管理について相談したい」という姿勢を示すと、より円滑に話を進められるでしょう。

4.遺骨の供養先を探す

納骨堂を墓じまいする際には、納められている遺骨を取り出し、新たな供養先を探す必要があります。

墓じまいをする理由に応じて、供養先の候補は以下のような選択肢が考えられます。

・樹木葬
・永代供養墓
・海洋散骨
・手元供養
・他の納骨堂
・一般墓

樹木葬や永代供養墓には、個別安置タイプと合祀タイプの2種類があります。なお、すぐに次の供養先を決められない場合、一時的に手元供養として自宅に安置する方法も検討できるでしょう。

5.必要書類を役所に提出する

新たな遺骨の供養先が決まったら、改葬許可を得るために、納骨堂のある自治体の役所に必要な書類を提出します。

主な必要書類は以下の通りです。

・改葬許可申請書:書類は自治体から入手。申請書が受理されると改葬許可証が発行される。
・埋葬証明書:現在、遺骨が納骨されていることを証明する書類。納骨堂の管理者に発行してもらう。
・受入証明書:新たな供養先に遺骨を納めることを証明する書類。遺骨の新しい供養先に発行してもらう。海洋散骨や手元供養の場合は不要。

自治体によって必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

6.閉眼供養を執り行う

納骨堂から遺骨を取り出す前には、「閉眼供養」を執り行うことが一般的です。閉眼供養とは、墓前で僧侶に読経してもらい、墓石から故人の魂を抜いてただの石に戻す儀式のことです。

ただし、納骨堂によっては納骨時に「開眼供養」を執り行っていない場合があります。その場合、墓じまいの際に閉眼供養が必要ないこともあるため、あらかじめ納骨堂の管理者に確認しておきましょう。

7.新しい納骨先に納骨する

閉眼供養を執り行い、遺骨を取り出したら、新しい納骨先に遺骨を納めます。その際、納骨先の管理者に改葬許可証を提出します。

新たな納骨先がお墓である場合は、僧侶に読経してもらい、開眼供養を執り行うのが一般的です。

納骨堂の墓じまいにかかる費用

納骨堂の墓じまいにかかる費用は、以下の4つに分類されます。

・閉眼・開眼供養のお布施
・離檀料
・行政手続きにかかる費用
・遺骨の新たな納骨先にかかる費用

これらの費用はケースによって異なるため、事前に正確な情報を確認し、準備を整えましょう。

閉眼・開眼供養のお布施

墓じまいを行う際には閉眼供養を執り行い、さらに新しい遺骨の供養先がお墓などの場合には、開眼供養を行います。これらの儀式では僧侶に読経を依頼し、お礼の気持ちとしてお布施を渡します。

お布施は感謝の気持ちを表すものであり、金額に明確な決まりはありません。金額に迷う場合はあらかじめお寺に相談しても問題ありません。一般的な目安としては、3万円~5万円程度です。

離檀料

納骨堂の管理者がお寺であり、檀家になっている場合は、墓じまいに伴い離檀料が必要となるケースがあります。離檀料とは、これまでお墓や納骨堂を維持・管理していただいたお寺への感謝の気持ちを、金銭の形で示すものです。

ただし、離檀料は必ず支払わなければならないものではなく、お寺と檀家の話し合いで決められます。お寺によって不要な場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

行政手続きにかかる費用

納骨堂の墓じまいに際しては、必要となる各種書類の発行手数料が発生します。

具体的には、自治体が発行する「改葬許可証」、納骨堂の管理者が発行する「埋葬証明書」、新たな遺骨の供養先が発行する「受入証明書」などに対して、合計で数百円〜数千円程度の発行手数料がかかります。

自治体や納骨堂によって金額は異なるため、事前に確認しておくと安心です。

遺骨の新たな納骨先にかかる費用

納骨堂の墓じまいにかかる費用の中で、最も金額の大きくなる可能性があるのが、遺骨の新たな納骨先にかかる費用です。

遺骨の数や新たな納骨先の種類によって異なるものの、一般的な相場は5万円から200万円程度です。

費用を抑えたい場合は、手元供養や合祀タイプの永代供養墓が選択肢になりえます。一方で、新たに一般墓を建てる場合は費用が高額になる可能性があります。希望する供養方法と予算については家族や親族とよく相談し、納得のいく納骨先を選びましょう。

納骨堂の墓じまいの費用を抑える方法

納骨堂の墓じまいの費用を抑える方法は、主に以下の 2つです。

・合葬墓(合祀墓)に納骨する
・散骨や手元供養を行う

それぞれの方法について解説します。

合葬墓(合祀墓)に納骨する

納骨堂の墓じまいの費用を抑える方法として、遺骨の新たな納骨先に合葬墓(合祀墓)を選ぶ方法が考えられます。

ただし、合葬墓(合祀墓)に納骨すると他の人の遺骨と混ざるため、あとから遺骨を取り出せません。合葬墓(合祀墓)を検討する場合は、この点を十分に理解した上で選択しましょう。

散骨や手元供養を行う

散骨や手元供養を選ぶことでも、墓じまいの費用を比較的抑えることが可能です。

散骨は、粉末状にした遺骨を海や山などにまく供養方法です。最近では、散骨業者に依頼して船を出してもらい、海洋散骨を行う方法が人気を集めています。

手元供養は、自宅にミニ骨壺を置いたり、身につけるアクセサリーの中に遺骨を安置する方法です。散骨をしたあとに、遺骨の一部を手元供養用に保管するケースも見受けられます。

納骨堂の墓じまいをする際の注意点

納骨堂の墓じまいを行う際には、以下の2点に注意しましょう。

・基本的に返金されない
・事前に家族・親族とよく相談する

それぞれについて解説します。

基本的に返金されない

納骨堂の墓じまいをする際、契約上定められた個別安置の期間が残っている場合でも、基本的に返金はされません。この内容は契約書に明記されていることが一般的です。

事前に契約書の内容をしっかり確認し、返金されないことを理解した上で納骨堂の墓じまいを進めましょう。

事前に家族・親族とよく相談する

墓じまいは故人の供養方法を大きく変える決断です。知らない間にお参りに訪れている家族や親族がいる可能性もあるため、事前に家族・親族とよく話し合うことが重要です。

お墓や納骨堂に対する思いは、人それぞれ異なります。勝手に判断して手続きを進めると、トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

事情を丁寧に説明し、十分な理解を得た上で納骨堂の墓じまいを進めるようにしましょう。

まとめ

納骨堂の墓じまいをする際には、基本的に返金されない点と、事前に家族・親族とよく相談する必要がある点を覚えておきましょう。納得のいく供養を実現するためにも、トラブルのない円滑な墓じまいを心がけてください。

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