2024.11.06
墓じまいの価格高騰要因と対策|費用を抑える方法も解説
墓じまいを検討する際、特に気になるのは費用の問題ではないでしょうか。どの程度の費用がかかるのか事前に把握しておけば、スムーズな準備や対策が図れます。
この記事では、墓じまいの概要や費用が高騰する主な要因、実際にかかる費用について解説します。費用を抑える方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
墓じまいとは?
墓じまいとは、墓石を撤去して土地を更地に戻し、墓地の管理者に使用権を返還する一連の行為のことです。
遺骨を勝手に取り出して墓じまいを行うことはできません。まずは自治体から必要な許可を取得し、適切な行政手続きを済ませる必要があります。
また、墓じまいの際にはお墓に納められている遺骨を取り出す必要があるため、新たな供養先を決めることも墓じまいの一部です。
墓じまいの価格の高騰要因
墓じまいにはさまざまな費用が発生しますが、価格が高騰する主な要因は次の2点です。
・墓石の解体・撤去費用
・遺骨の新たな納骨先にかかる費用
それぞれについて解説します。
高騰要因1:墓石の解体・撤去費用
墓石の解体・撤去は専門業者に依頼するため、費用が発生します。一般的なお墓の場合、1㎡あたり10〜15万円程度が相場です。ただし、灯篭や階段がある場合や使用している石材の量が多い場合は、費用が高くなる可能性があります。
お墓の立地条件によっても費用は変わります。たとえば、墓地の通路が狭かったり、お墓が山の斜面や階段の上にあったりする場合、重機が入れず、手作業が増えることで費用が高騰しがちです。
また、墓地が平地にあっても駐車場からお墓までの距離が長い場合、移動にかかる費用が追加されることもあります。
高騰要因2:遺骨の新たな納骨先にかかる費用
お墓から取り出した遺骨を新しい納骨先に埋葬する際にも、費用が発生します。
埋葬されている遺骨の数は、お墓によって異なります。たとえば先祖代々のお墓の場合、複数の遺骨が納められているのが一般的です。遺骨の数が多いほど、費用は高額になる傾向があります。
また、新しい納骨先をどこにするのかによっても、費用は大きく変わります。納骨先の主な選択肢は以下のとおりです。
・一般墓地:新しいお墓を建てる場合と、親族のお墓に入れてもらう場合がある。新しいお墓の建立は、納骨先の中で最も高額費用がかかる方法
・永代供養墓(合葬墓):遺族に代わり、寺院や霊園が遺骨を管理・供養する方法
・納骨堂:屋内型の納骨施設で、個別の場所に遺骨を安置する方法
・樹木葬:樹木をシンボルとして遺骨を埋葬する方法
・散骨:海や山に遺骨をまき、自然に還す方法
・手元供養:ミニ骨壺に納骨して自宅に安置したり、遺骨をアクセサリーにして身に付けたりする納骨方法
家族や親族とよく話し合い、予算を踏まえた上で最適な納骨先を決めることが大切です。
墓じまいにかかる費用
墓石の解体・撤去や新しい納骨先への費用のほかにも、墓じまいには以下の費用が発生します。
・閉眼・開眼供養のお布施
・離檀料
・行政手続きにかかる費用
それぞれについて解説します。
閉眼・開眼供養のお布施
墓じまいの際には、お墓に納められている故人やご先祖様の魂を抜く儀式である「閉眼供養」を執り行います。お墓の前で僧侶に読経してもらい、お布施を渡します。お寺や地域によって金額は異なりますが、相場としては3〜5万円程度です。
新しい納骨先がお墓の場合は、そこに魂を入れる「開眼供養」も執り行います。こちらも閉眼供養と同様に、僧侶に読経してもらい、お布施を渡します。金額の目安は同じく3〜5万円です。
離檀料
寺院墓地を使用している場合、墓じまいをすると檀家を辞めることになります。その際、寺院によっては「離檀料」と称して高額なお布施を請求される場合があります。
本来、離檀料は檀家側が寺院に対する感謝の気持ちとして、寺院との話し合いの上で包むものでした。しかし最近では、寺院から具体的な金額を提示されるケースも見受けられます。
高額な離檀料の支払いを求められた場合は、弁護士などの専門家へ相談し、アドバイスを求めましょう。
行政手続きにかかる費用
墓じまいをして遺骨を新しい納骨先に移す場合、「改葬許可証」が必要です。これは現在のお墓がある自治体に申請して取得します。
改葬許可証の発行手数料は自治体によって異なり、無料の場合もあれば数百円かかることもあるため、自治体に確認しましょう。なお、郵送で申請できる自治体も存在します。
墓じまいの費用を抑える方法
墓じまいの費用を抑える方法は、主に以下の3つです。
・複数の業者から見積もりを取得する
・散骨や手元供養を行う
・墓じまい専門業者に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
複数の業者から見積もりを取得する
墓じまいを行う際は、複数の専門業者から見積もりを取得し比較することで、適切な価格帯の業者を選択できます。ただし、単に価格の安さだけで判断するのは危険です。
墓石の不法投棄といった悪質な行為を行う業者も存在するため、慎重な選択が求められます。価格とともに、サービス内容についても十分に精査しましょう。
なお、寺院や霊園によっては指定業者がいる場合があります。その場合だと業者を自由に選べないため、事前に確認することをおすすめします。
散骨や手元供養を行う
墓じまいの費用を抑えるには、新たな納骨先の選択も重要です。なぜなら、費用は納骨先によって大きく変わるからです。
比較的低コストな選択肢としては、粉末状にした遺骨を海や山にまく「散骨」や、自宅やアクセサリーの中に遺骨を安置する「手元供養」が挙げられます。なお、これら2つの方法を組み合わせることも可能です。
ただし、費用面だけで納骨先を選ぶと、後悔する可能性があります。また、親族の理解が得られないケースもあるでしょう。
墓じまい後の納骨先については、家族や親族と十分に話し合ってから決定するよう心がけてください。
墓じまい専門業者に依頼する
専門業者に墓じまいを依頼することで、自力で行う場合よりも費用を抑えられる可能性があります。専門業者は、手続きから墓石の撤去、閉眼供養、新しい納骨先の提案など、一連の作業を担当します。
特に遠方にお墓がある場合、個人で全ての手続きを行うのは困難であるため、専門業者の活用がおすすめです。
墓じまいの費用が捻出できない場合の対策
墓じまいの費用が捻出できない場合、以下の4つの対策が考えられます。
・家族・親族に相談する
・メモリアルローンなどを活用する
・自治体の補助金制度を利用する
・寺院に相談する
それぞれについて解説します。
家族・親族に相談する
墓じまいの費用は基本的にお墓の継承者が負担することになりますが、先祖代々のお墓の問題は親族全体に関わる重要な問題です。費用負担が難しい場合は1人で悩まず、家族や親族に相談してみましょう。
費用負担を依頼する際には業者から見積もりを取得し、家族や親族に具体的な金額を提示することが効果的です。
また、新しい納骨先として親族のお墓に遺骨を納める選択肢が提案されることもあります。その場合、墓じまい費用の削減が期待できます。
メモリアルローンなどを活用する
墓じまいの費用が工面できない場合、墓じまい業者が提供する分割払いや、金融機関・信販会社が提供するメモリアルローンの利用が考えられます。
メモリアルローンは、葬儀やお墓に関する費用を対象としたローンです。お墓の建立時によく利用されますが、墓じまい業者を通じて申し込むことで、墓じまいにも活用できます。ただし、ローンの利用には審査が必要です。審査に通らなければ利用できない点に注意しましょう。
自治体の補助金を利用する
一部の自治体では、無縁墓を減らす目的で墓じまいを支援する補助金制度を設けていることがあります。
補助金を利用できれば、墓石の撤去費用などの一部、あるいは全額が支給されるため、まずは自治体に確認してみましょう。
たとえば市営墓地で墓じまいを行い、墓地を返還した場合、その費用の30〜50%が返還されるケースがあります。
補助金の場合、一般的に墓じまいの費用を支払ったあとに補助金を申請し、審査を経て支給される仕組みです。まずは自分で費用を立て替える必要がある点に注意しましょう。
また、補助金制度がない自治体でも、墓じまいをサポートする取り組みを実施している場合があります。たとえば市営墓地で墓じまいを行う際、すでに支払った墓地使用料の一部還付や、後継者不在の場合の無料合祀などが挙げられます。
寺院に相談する
今のお墓が寺院墓地である場合は、墓じまいの費用が払えない旨を寺院に率直に伝え、相談することをおすすめします。
寺院に支払う費用には、次のようなものがあります。
・閉眼供養のお布施
・永代供養料(寺院に永代供養をしてもらう場合に発生)
事情を丁寧に説明すれば考慮してもらえる場合もあるため、まずは相談してみましょう。
まとめ
墓じまいの価格が高騰する主な要因には、墓石の解体・撤去費用や、遺骨の新たな納骨先にかかる費用などが挙げられます。
墓じまいの費用を抑える方法や、支払えない場合の対策もいくつか存在します。これらを十分に検討して、計画的に墓じまいを進めましょう。
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