2024.07.10
墓じまいのお布施はいくら?流れやトラブルを避けるためのポイント
少子高齢化や核家族化の影響により、墓じまいをする人が増えています。
墓じまいとは、お墓の墓石を解体・撤去し、墓地を更地にして使用権を管理者に返還することです。
墓じまいでは、お布施の金額や渡し方、トラブルにならないためのポイントなど、把握すべき点がいくつかあります。
本記事では、墓じまいにおけるお布施の金額や手順、トラブル回避のポイントについて紹介します。
墓じまいとは「お墓を返還すること」
墓じまいとは、お墓の墓石を処分し、墓地を元の状態に戻して使用権を管理者に返すことです。
お墓に眠っている故人やご先祖様のご遺骨を別の場所に移して供養するためには、親族や墓地管理者、専門業者との協力が必要です。
改葬とは
改葬とは、お墓から取り出したご遺骨を、必要な手続きを経て別のお墓に移すことです。つまり、お墓の引越しを意味します。
墓じまいはお墓の撤去を指しますが、改葬はお墓の撤去に加えて、別のお墓にご遺骨を納める行為を含めた一連の手続きのことです。
墓じまいの流れ
墓じまいを行うには、さまざまな手続きが必要です。トラブルを避け、スムーズに墓じまいを進めるためにも、事前に流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、墓じまいの流れを8つのステップに分けて解説します。
ステップ1.親族の同意を得る
墓じまいを進めるためには、お墓の維持管理やご遺骨に関係する親族全員から同意を得ることが重要です。
お墓に対する価値観が多様化している一方で、「お墓は代々受け継いでいくべきだ」という考えを持つ方も少なくありません。そのため、親族の同意を得ずに墓じまいを進めると、トラブルに発展する可能性があります。
墓じまいでは、墓じまいを行う理由や墓じまい後の予定などを丁寧に説明し、親族一人ひとりに納得してもらうことが大切です。個別にじっくりと話すほうが、より良い結果につながる傾向があります。
ステップ2.お墓の現状を確認する
次に、事前にお墓の状態を確認します。確認する項目は次の3点です。
①お墓に何柱のご遺骨が入っているか
②お墓の大きさや面積
③土葬の有無
墓じまいをスムーズに進めるためにも、あらかじめお墓の管理者や運営者などに確認しておきましょう。
ステップ3.墓じまいを申し入れる
親族から同意を得て、お墓の現状確認が済んだら、お墓の管理者に墓じまいを申し入れます。
このとき、管理者には「埋葬証明書」の発行や閉眼供養などを依頼します。「埋葬証明書」は、お墓にご遺骨が埋葬または収蔵されている事実を証明する書類です。墓じまい後、新たな納骨先や散骨業者に提出を求められることがあるため、大切に保管しておきましょう。
また、お墓の管理者に墓じまいを申し入れるときは、「相談」という形で丁寧に伝えることが重要です。説明が不十分であったために高額な離檀料を請求されたケースもあるため、伝え方には注意しましょう。
ステップ4.新たな納骨先を決める
墓じまいの後は、新たな納骨先を決める必要があります。一般墓や永代供養墓への「改葬」、海や山への「散骨」などが一般的な方法です。
改葬する場合は、新たな納骨先の管理者に「受入証明書」の発行を依頼します。
散骨する場合は、トラブルや法律違反を防ぐために、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
ステップ5.墓じまいを依頼する
墓じまいでは、お墓の使用権を管理者に返還する必要がありますが、墓石の撤去や解体、整地作業などを個人で行うのは困難です。
そのため、墓じまいは石材店や専門業者に代行してもらうことが一般的です。
業者選びでは複数の業者から見積もりを取得し、費用やサービス内容を比較検討することが推奨されます。
ステップ6.改葬許可証を受け取る
お墓の引越しには「改葬許可証」が必要です。これは、現在のお墓がある場所の自治体に申請し、取得します。
改葬許可証は遺骨を適切に移動するための公的な許可で、不正な持ち出しを防ぐ目的で必要とされています。
申請書を提出する際は、現在のお墓の管理者が発行する「埋葬証明書」や、新しいお墓の管理者が発行する「受入証明書」などの添付書類が必要です。
なお、公営霊園の場合は、墓所の返還手続きが別途発生します。あらかじめ念頭に置いておきましょう。
ステップ7.ご遺骨を取り出す
お墓を建てる際に行う「魂入れ(開眼供養)」とは反対に、墓じまいでは「魂抜き( 閉眼供養)」を行います。これは、故人の魂を安置した場所から適切に移すための儀式です。
閉眼供養が無事に終了したら、納骨室(カロート)からご遺骨を取り出します。
ステップ8.墓地を管理者に返還する
もともと納められていたご遺骨を散骨や新しいお墓へ改葬する一方で、これまでのお墓は撤去・解体し、更地に戻して管理者へ返還します。
別の一般墓や永代供養墓に移して改葬する場合は、僧侶に新たな納骨先で開眼供養を依頼します。これら一連の手続きが完了すれば、墓じまいは終了です。
なお、墓じまいを行う際は、あらかじめ家族や親族で話し合うことが推奨されます。また、お墓の管理者や寺院とも連絡をとり、手続きの流れを確認することが重要です。
墓じまいの際に発生するお布施とは?
墓じまいの際、僧侶に閉眼供養や開眼供養を依頼する必要があります。これには義務ではありませんが、読経した僧侶への感謝の気持ちを表すお布施が伴います。
また、僧侶が移動する場合の交通費として、別途「お車代」が必要です。
お布施の相場はお寺や地域によって異なりますが、一般的には3万円から10万円の範囲です。
墓じまいで用意するお布施の作法
お布施を渡す際は裸での直接渡しは避け、作法に従った方法で行います。
ここでは、お布施のお札の入れ方や渡し方を中心に、お布施に関するマナーを紹介します。
袋の選び方
金銭を包む袋は、白い無地の封筒か奉書紙を使用します。白い無地の封筒は、コンビニやスーパーでも購入可能です。
白い袋を使用する場合は、郵便番号の記入欄がない一重の封筒を選びましょう。二重封筒は「不幸が重なる」と連想させるため、お布施には適しません。
一部の地域では水引がある封筒を使用することもありますが、基本的には白い無地封筒で問題ありません。
表書きの書き方
お布施を渡す際、袋には表書きが必要です。
表書きは筆や筆ペンを使い、濃い墨で袋の中央上部に「御布施」、下部には自身の氏名を記入します。
お車代も一緒に渡す場合は、中央上部に「お車代」と追記します。
お布施の渡し方
お布施は、袱紗(ふくさ)と呼ばれる四角い布に包んで持参します。
袱紗とは、お布施や香典袋を包む布のことです。お布施を封筒のまま渡すのはマナー違反とされるため、袱紗で包むことが重要です。また、お布施を渡す際には、相手が表書きを読める向きで渡してください。
お札の入れ方
お札は、袋の表側からお札を出したときに表面(人物画が描かれている面)が上を向くように入れましょう。また、袱紗は左手側に取り出し口が来るようにして、表書きが上を向くように包みます。
お布施の金額が3万円以上の場合、切手盆が取りつけられた袱紗や爪のある袱紗を使用することもあります。
墓じまいでトラブルにならないためのポイント
墓じまいには多様な手続きが伴うため、トラブルが発生する可能性もゼロではありません。
ここでは、墓じまいを行う前に覚えておきたいトラブル対策法を3つご紹介します。
⇛墓じまいのトラブル対策についてはこちらの記事でも詳しく解説しています
お墓の管理者に事前相談をする
いきなり決定事項として墓じまいを寺院に伝えた場合、不快感を与える可能性があります。
寺院には相談の姿勢で接し、墓じまいの必要性や背景を丁寧に説明しましょう。
信頼できる業者に依頼する
お墓の撤去費用は地域や施工方法、墓石のサイズや墓地の区画によって異なり、ときに高額になることがあります。
そのため、複数の業者から見積もりを取得し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
また、寺院や霊園が指定する業者を利用しなければならないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
親族間でしっかりと話し合う
墓じまいは遺族にとって大きな決断であるため、親族の考え方や価値観を尊重し、納得できるよう話し合いを重ねることが重要です。
また、費用の負担についてもトラブルにならないよう、工事や改葬にかかる費用を概算し、総額をもとに各家庭の負担割合について話し合いましょう。
墓じまいは専門業者に相談するのがおすすめ
墓じまいには、墓石の撤去や遺骨の移動など、一般の人には対応の難しい作業が多く含まれています。そのため、スムーズな墓じまいを実現したい場合は、専門業者の利用がおすすめです。
墓じまいには法律や慣習による決まりごとが数多く存在します。専門業者はこれらの知識を有しているため、トラブルを回避しながら適切な方法で墓じまいが実施可能です。
また、業者によっては墓じまいだけでなく、遺骨の納骨や改葬手続きまで一貫してサポートしてくれます。墓じまいを行う場合は専門業者に相談し、自分に合った方法で墓じまいを進めていきましょう。
まとめ
墓じまいは故人や家族にとって重要な儀式であるため、慎重に検討し、納得のいく方法で行うことが重要です。
墓じまいの過程で行う閉眼供養や開眼供養では、寺院や僧侶への感謝の気持ちとしてお布施を渡します。お布施は義務ではありませんが、宗教的な儀式に対する敬意として重要です。お布施の準備を適切に行い、マナーを守ることも墓じまいの一環と言えるでしょう。
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