

2025.01.17
墓じまいでお寺と交渉する際のポイントは?離檀やトラブル防止方法について解説
近年、墓じまいをする人が増える中で、お寺とのトラブルが発生するケースも少なくありません。スムーズに離檀を進めるためには、事前に必要な知識を身につけ、適切に対応することが大切です。
この記事では、墓じまいでお寺とトラブルになりやすい「離檀」の概要や、離檀時に起こりがちな問題、交渉を進める際のポイント、墓じまいの流れについて解説します。
墓じまいでお寺とトラブルになりやすい離檀とは
お寺にお墓がある場合、墓じまいを行うには檀家を辞める「離檀」の手続きが必要です。離檀は単に自己判断で進められるものではなく、必ずお寺との話し合いを経て行わなければなりません。
そのため、交渉がうまくいかない場合にはトラブルに発展する可能性があることを理解しておきましょう。
離檀料とは
離檀料とは、これまでお墓を管理していただいたお寺に対し、感謝の気持ちを示す金銭のことです。ただし、法的には離檀料を支払う義務はありません。
離檀料の金額は、お寺と檀家との話し合いで決定されます。お寺によっては離檀料が不要な場合や、閉眼供養のお布施が離檀料に含まれているケースがあります。
離檀時に起きやすい問題
離檀時にお寺との間で起こりやすい問題には、以下のようなものがあります。
・高額な離檀料の請求
・埋葬証明書の発行拒否
それぞれの問題について詳しく見ていきましょう。
高額な離檀料の請求
本来、離檀料はお寺と檀家が話し合って決めるものです。しかし、中には高額な離檀料を要求されるケースもあります。金額に疑問を感じた場合は、まずお寺との交渉が必要です。
交渉が難航した際は、独自の解決策を模索するのではなく、墓じまいの専門業者や弁護士に相談することをおすすめします。
埋葬証明書の発行拒否
墓じまいをして改葬する際には、お墓の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらう必要があります。この証明書は、遺骨を別の場所へ移すために欠かせない重要な書類です。
しかし、悪質なお寺の場合、埋葬証明書の発行を断られるケースもあります。お寺との話し合いで解決できない場合は、墓じまいの専門業者や弁護士などに相談することを検討しましょう。
墓じまいでお寺と交渉する際のポイント
墓じまいの交渉においては、以下の4つのポイントを押さえることが重要です。
・早めにお寺に相談する
・感謝の気持ちを伝える
・無縁仏になる可能性について伝える
・墓じまい業者に依頼する
各ポイントを詳しく解説します。
早めにお寺に相談する
墓じまいや離檀についてお寺と交渉する際は、できるだけ早めに相談を始めることが重要です。「すでに決まったこと」として一方的に伝えるのではなく、「検討しているので相談したい」という姿勢で話を進めましょう。
具体的には、転居によってお墓参りが難しくなる、経済的理由でお墓を維持できない、またはお墓の継承者がいないなど、墓じまいを検討するに至った理由を率直かつ丁寧に説明します。
お寺の意見も尊重し、双方が納得した上で進めることが理想です。
感謝の気持ちを伝える
墓じまいについてお寺に相談する際は、これまでお世話になったことに感謝の気持ちを伝えることが大切です。離檀の意向をただ事務的に伝えるのではなく、先祖代々のお墓を守り、供養していただいたことへの感謝を丁寧に述べましょう。
感謝の気持ちは、できる限り直接お寺に出向いて伝えるのが理想です。遠方に住んでいて訪問が難しい場合は、電話で一度お礼を述べたのち、手紙を送ることで丁寧さを示せます。
たとえ自分が特別お寺との関係を感じていなくても、先祖代々受け継がれてきたつながりを尊重し、誠意を持って対応することが重要です。
無縁仏になる可能性について伝える
お墓参りが難しい状況や、お墓の承継者がいない場合には、このままだとお墓が無縁仏になる可能性があることをお寺に説明するのがおすすめです。
お寺にとっても無縁仏を増やすことは避けたい事態であるため、この事実を共有することで墓じまいへの理解を得られる可能性が高まります。
墓じまい業者に依頼する
墓じまいにおけるお寺との交渉が難しいと感じる場合や、忙しくて時間を取れない場合、またはトラブルを回避したい場合は、墓じまいの専門業者に依頼するという選択肢もあります。
経験豊富な専門業者に依頼すれば、お寺との交渉がスムーズに進むだけでなく、墓石の撤去や改葬に伴う行政手続きなど、墓じまいに必要な多岐にわたる作業を一任できます。これにより、労力と時間を大幅に削減できるでしょう。
トラブルなく墓じまいを進める流れ
トラブルを回避しながら墓じまいを円滑に進めるためには、以下の7ステップを順を追って実行することが重要です。
1.親族へ相談する
2.お寺に相談する
3.遺骨の供養先を決める
4.業者を決める
5.改葬の手続きを行う
6.閉眼供養・解体工事を行う
7.新しい供養先に納骨する
それぞれのステップについて、順を追って解説します。
1.親族へ相談する
トラブルなく墓じまいを進めていくためには、まず親族との話し合いを行うことが重要です。「家族内で決めれば問題ない」という考えもありますが、自分の知らない間に墓参りをしている親族がいる可能性も考慮しましょう。また、先祖代々のお墓を墓じまいすることに反対する親族がいる場合もあります。
お墓は、自分が継承者であったとしても個人のものではなく、親族全体で共有しているものだと認識することが大切です。
親族と話し合う中で、もしお墓を引き継ぎたいという親族が現れた場合、墓じまいを行わずに済む可能性もあります。そのため、しっかり意見交換を行いましょう。
また、墓じまいには費用がかかるため、誰がどの程度負担するのかも明確にしておく必要があります。
2.お寺に相談する
親族間の話し合いが終わったら、次にお墓があるお寺や霊園に墓じまいを相談しましょう。
特にお寺の場合は、墓じまいが必要な理由を丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。お寺との関係を円滑に保ちながら話を進めるよう心がけましょう。
なお、お墓が公営や民営の霊園にある場合は、管理事務所に問い合わせて必要な手続きを確認し、墓じまいを進めていきます。
3.遺骨の供養先を決める
墓じまいを行う場合、事前に遺骨を移す新しい供養先を決めておく必要があります。供養先を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
・供養にかかる費用
・供養先へのアクセスの利便性
・供養先の管理体制や環境
供養先の検討は、親族やお寺との相談と並行して進めても構いません。事前に複数の候補をリストアップし、最適な選択肢を見つけることをおすすめします。
4.業者を決める
親族やお寺との話がまとまり、新しい供養先も決まったら、墓石の解体・撤去工事を行う墓じまい業者を選びます。
お寺や霊園に指定業者がいる場合は、紹介してもらうとスムーズです。指定業者がない場合は、複数の業者から見積もりを取り、費用やサービス内容を比較検討しましょう。
ただし、業者を選ぶ際には費用面だけでなく、実績や信頼性も重要なポイントです。口コミや評判を確認し、信頼できる業者を選定することを心がけましょう。
5.改葬の手続きを行う
墓じまいには、改葬のための行政手続きが欠かせません。お墓がある場所の自治体窓口やWebサイトから「改葬許可申請書」を入手し、必要事項を記入して提出します。申請書が受理されると「改葬許可証」が発行されます。
申請の際は、申請書以外にも、お寺や霊園など現在の墓地管理者が発行する「埋蔵証明書」や、新たな遺骨の供養先が発行する「受入証明書」、申請者の身分証明書の写しなどが必要です。
ただし、次の供養先が散骨や手元供養などの場合、受入証明書は不要です。必要な書類は自治体ごとに異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。
6.閉眼供養・解体工事を行う
お墓に埋葬されている遺骨を取り出す場合、墓前で僧侶による「閉眼供養」を執り行うことが一般的です。この儀式は、お墓に宿る故人の魂を抜き、墓石をただの石へと戻すためのものです。
閉眼供養が終わったら、お墓から遺骨を取り出し、解体工事を進めます。墓石を撤去し、墓地を更地に戻した上で管理者に返還します。
7.新しい供養先に納骨する
最後に、お墓から取り出した遺骨を新しい供養先へ納骨します。自宅近くの新しいお墓に納骨する場合は、開眼供養を執り行いましょう。
手元供養を選択する場合は遺骨を自宅に安置したり、アクセサリーなどに入れて身に付けたりする方法があります。
散骨を希望する場合は、専門業者に依頼して海洋散骨や山林散骨を行うことも可能です。
まとめ
墓じまいを円滑に進めるポイントは以下のとおりです。
・早めにお寺に相談する
・お寺に感謝の気持ちを伝える
・無縁仏になる可能性を説明する
・墓じまい業者に依頼する
これらのポイントを押さえることで、トラブルを回避しながら墓じまいを進められます。
「お墓の引越し&墓じまいくん」は、お墓の引っ越し・墓じまいに特化した専門サービスです。お客様のご事情に合わせて、樹木葬、永代供養墓、海洋散骨、納骨堂、一般墓など、あらゆる形の墓じまいに対応します。経験豊富なスタッフが行政手続きから作業完了までトータルサポートします。
墓じまいについてお悩みの方や不安をお持ちの方は、ぜひ「お墓の引越し&墓じまいくん」にご相談ください。
CONTACT
お見積り・ご相談は無料まずはお気軽にご連絡ください
