2025.03.07

コラム

閉眼供養におけるお布施の金額目安・マナー|準備・当日の流れも解説

墓じまいをする際には、墓石から魂を抜く「閉眼供養(へいがんくよう)」という儀式を執り行い、僧侶に読経してもらうのが一般的です。しかし、閉眼供養は人生で何度も経験するものではないため、お布施の金額や準備の進め方がわからない人も多いかもしれません。

この記事では、閉眼供養におけるお布施の金額目安や渡し方、服装や持ち物のマナー、準備の流れ、当日の進行について解説します。

閉眼供養後の遺骨の供養先にも触れているため、ぜひ参考にしてください。

閉眼供養におけるお布施のマナー

閉眼供養のお布施については、以下の3つのポイントを押さえておくことが大切です。

・お布施の金額の目安
・お布施の渡し方
・お車代と御膳料

それぞれ詳しく見ていきましょう。

お布施の金額の目安

お布施は、お寺や僧侶に対する感謝の気持ちを表すものであり、包む金額に決まりはありません。不安な場合は、お寺に直接確認しても失礼にはあたりません。

閉眼供養における一般的なお布施の金額は、3~10万円程度が目安です。ただし、お寺との関係性や地域によって異なる場合があります。目安を参考にしながら、ご自身の状況に合わせて適切な金額を包みましょう。

お布施の渡し方

お布施は、白無地の封筒か奉書紙に包み、表書きに「お布施」と書きます。さらに袱紗(ふくさ)に包み、僧侶にお渡しする際に取り出すのがマナーです。

お渡しするタイミングは、閉眼供養が終わった後が一般的です。ただし、開始前に渡しても問題はありません。僧侶にお渡しする際は、お礼の言葉を添えて丁寧に渡しましょう。

お車代と御膳料

お墓がお寺から遠方にあり、閉眼供養のために僧侶をお招きする場合は、お布施とは別にお車代をお渡しするのがマナーです。金額の目安は5,000円~1万円程度です。

また、閉眼供養後の会食に僧侶が参加しない場合には、代わりに御膳料をお渡しします。こちらも金額の目安は5,000円~1万円程度です。

お車代や御膳料は、お布施とは別に包むことをおすすめします。

閉眼供養における服装・持ち物のマナー

閉眼供養を執り行う際や参列する際、適切な服装と持ち物を知っておくと安心です。ここでは、閉眼供養における服装と持ち物のマナーについて解説します。

服装のマナー

閉眼供養は親しい親族のみで行われることが多いため、喪服の着用は必須ではありません。ただし、派手な服装やカジュアルすぎる服装は避け、落ち着いた平服を選ぶのが望ましいでしょう。

・男性:黒・紺・ダークグレーなどのスーツ
・女性:同様の色味のスーツやワンピースなど
・子ども:制服があればそれを着用し、なければ派手でない服装を着用

持ち物のマナー

閉眼供養の持ち物は、以下のとおりです。

・お墓の掃除道具:バケツ、雑巾、スポンジなど
・供物:お菓子などの食べ物、供花、ろうそく、線香、ライターなど
・お布施
・数珠

故人が生前に好んでいた食べ物を供えるのも、心のこもった供養の一つです。

閉眼供養の準備の流れ

閉眼供養を滞りなく進めるために、以下の6つのステップを参考にしてください。

・お寺への連絡
・日程調整
・参列者への連絡
・供物・会食の手配
・お墓・仏壇の掃除
・お布施の準備

それぞれについて、順を追って解説します。

お寺への連絡

閉眼供養を行う際は、まずお寺に連絡を入れ、僧侶に依頼しましょう。可能な限り早めに連絡し、遅くても2週間前までには連絡するのがマナーです。

付き合いのあるお寺がない場合は、墓じまい業者に相談することで、閉眼供養を執り行う僧侶を紹介してもらえることがあります。

日程調整

お寺はお盆やお彼岸の時期が繁忙期のため、お寺と事前に相談し、僧侶の都合を確認したうえで閉眼供養の日程を決めましょう。

また、墓じまい業者選びと、工事の日程調整もあわせて行います。通常、閉眼供養の当日に墓石の撤去工事を行うことが多いものの、後日改めて工事を行うことも可能です。

参列者への連絡

日程が確定したら、家族や親しい親族などの参列者にすみやかに連絡しましょう。閉眼供養は身内のみで執り行うことが一般的ですが、故人と親しかった方やお墓参りに来ていた方へ声をかけるのも一案です。

できるだけ早めに連絡し、参列可能な人数を確定させておくとスムーズです。

供物・会食の手配

閉眼供養後に会食を予定している場合は、会場の予約や仕出し料理の手配をしておきましょう。お寺や霊園の施設を利用する場合は、早めに確認が必要です。

また、レストランなどに移動する際は、参列者の移動手段も確保する必要があります。加えて、お墓にお供えする供物や供花も事前に準備しておきましょう。

お墓・仏壇の掃除

閉眼供養が始まる前に、お墓を掃除しておきましょう。当日に掃除をしても問題ありませんが、当日は供養の準備で忙しくなりがちです。

可能であれば前日までにある程度済ませておくと、当日は軽く掃除をするだけで済みます。また、自宅に仏壇がある場合は、閉眼供養にあわせて仏壇も掃除しておきましょう。

お布施の準備

閉眼供養の当日に慌てないよう、前日までに僧侶にお渡しするお布施を準備しておきましょう。

封筒の表書きや帛紗(ふくさ)に気を取られ、うっかり中身を入れ忘れてしまうケースもあります。準備ができたら、最後にもう一度中身を確認することをおすすめします。

閉眼供養の当日の流れ

閉眼供養がどのように進行するのかを事前に把握しておくと、当日スムーズに進められます。閉眼供養当時の一般的な流れは、以下の3ステップです。

・お墓に供物を供える
・僧侶による読経・焼香
・会食

それぞれの流れについて詳しく解説します。

お墓に供物を供える

閉眼供養が始まる前に、お墓に供物を供えます。供物の基本は「五供(ごく)」と呼ばれるもので、以下のような意味があります。

意味備考
浄水水やお茶のこと。故人の喉の渇きを癒し、お清めする意味をもつペットボトルなどに入れて持参
供花(くげ)生花や造花のこと。故人の心を清める意味がある仏花を選べば問題ないが、供花としてふさわしくない種類の花もあるため、生花店で相談すると安心
飲食(おんじき)季節の果物、精進料理、故人が好きだった食べ物などをお供えする。日々の食事への感謝の意味も込められている
灯明(とうみょう)ろうそくのこと。故人が進む道を照らす意味がある火を消す際は息を吹きかけず、手であおぐか、ろうそく消しを使う
香(こう)線香または焼香のこと。故人の魂の安らぎとお清めの意味がある

僧侶による読経・焼香

僧侶がお墓に到着すると、閉眼供養が開始されます。僧侶が読経を行い、参列者はお墓に向かって手を合わせます。

その後、僧侶の指示に従い、焼香を行いましょう。焼香は、故人と関係の深い人から順番に進めるのが一般的です。そして読経後、お墓に水をかけて儀式を締めくくります。

会食

閉眼供養が終わった後、会食を行う場合は会場へ移動します。基本的に親しい親族のみの集まりであるため、かしこまった挨拶は不要です。

参列者に対して「本日はお集まりいただき、ありがとうございました」と簡潔にお礼を述べ、故人を偲びながら食事を共にします。

閉眼供養後の遺骨の供養先

閉眼供養後の遺骨の供養先は、主に以下の4つの選択肢があります。

・近くのお墓
・永代供養
・散骨
・手元供養

それぞれの方法について紹介します。

近くのお墓

自宅から遠方にお墓がある場合など、管理が難しいときは自宅近くに新しくお墓を建て、閉眼供養後に遺骨を移すことも選択肢の一つです。

新しいお墓に納骨する際には、閉眼供養と同様に僧侶に出向いてもらい、開眼供養(かいげんくよう)という儀式を執り行います。

永代供養

お墓の継承者がいないことを理由に墓じまいする場合、遺骨を永代供養墓に移すことで、継承者が不要になります。永代供養とは、遺族の代わりにお寺や霊園がお墓を管理・供養する方法です。

永代供養墓には、以下の種類があります。

・合葬墓:ほかの方の遺骨と一緒に埋葬する形式
・納骨堂:屋内施設に遺骨を納める形式
・樹木葬:墓石の代わりに樹木をシンボルとし、自然とともに供養する方法

散骨

お墓の継承者がいない場合の供養方法として、散骨も有力な選択肢です。散骨とは、遺骨を粉末化して海や山などにまき、自然に還す供養方法です。

近年では、「亡くなったら自然に還りたい」と希望する方が増え、散骨を選ぶケースが増加しています。

手元供養

遺骨を身近に置いて供養したい場合には、手元供養という方法もあります。手元供養とは、遺骨をミニ骨壺に納めて自宅に安置したり、アクセサリーに加工して身に着けたりする供養方法です。

この方法には、以下のようなメリットがあります。

・故人を身近に感じられる
・お墓参りに行かなくても、いつでも手を合わせられる

また、供養方法に迷った場合は、遺骨をいったん自宅に持ち帰り、ゆっくりと供養先を決めることも可能です。

まとめ

閉眼供養のお布施の金額目安は、3~10万円です。金額がわからない場合は、直接お寺に相談しても失礼にはあたりません。お布施は袱紗(ふくさ)に包み、閉眼供養の儀式終了後に僧侶にお渡ししましょう。

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